上値は重たいものの警戒ゾーンに近い
今週の週間見通しと予想レンジ
先週のユーロドルは、これまで同様ブレグジットとイタリア予算案に対する懸念からユーロが上値を抑えられる一週間となりました。ブレグジットは北アイルランドとアイルランドとの関税に関する国境問題が現在の最大のテーマですが、解決する目途がまったく見えません。協議期間を延長したからといって解決するかどうかは不透明で、短期的にはポンド売りの影響がユーロに波及しているという状態が続いています。
また、イタリアの予算案は欧州委員会が拒否したことで、11月13日までに再提出が求められていますが、イタリア側も修正する態度は見せずに欧州委員会を非難している状況です。EUとしては集合体として加盟国の財政規律として財政赤字がGDPの2%以内に収まることを要求していますが、イタリアの現行予算案は2.4%で欧州委員会は乖離が大きい、イタリアは大きな乖離ではないと、客観的には財政規律を無視した発言が続きます。
ドイツとイタリアの国債利回りスプレッドも最近では3%台が定着してきて金曜の段階では3.12%となっていました。10月以降で最も広がった際には3.24%程度と5年半ぶりの水準にまで拡大し、2010年から始まった欧州危機が2013年にキプロスショックでピークを迎えた頃の水準と同レベルです。イタリアは先日の格付け発表でも引き下げられたばかりですし、今後もドイツとイタリアの国債のスプレッドが拡大するようであれば、新たにイタリア危機の懸念も出てくると言われているだけに注意が必要でしょう。
今週はEU関連の経済指標が連日のように出てきますが、現在のユーロ安の流れを変えるほどの影響があるとは思えません。当面はイタリアからの反応を見ながらも米国中間選挙を前にしたトランプ大統領の発言が最大の注意かもしれません。
トランプ大統領は8月20日にユーロ安けん制発言を行いましたが、その直前15日にユーロドルは1.1301の安値をつけました。先週金曜の安値は1.1336とわずか35pipsにまで接近しましたが、水準的に警戒感が高まって週末前のポジション調整につながったと考えられます。ドルインデックスも金曜には96.62と8月の96.87の水準に25ポイントにまで迫りました。中間選挙を前に、通商協議関連で週末に日本に対しては自動車関税の話を蒸し返しましたが、同様に米欧間でも通商協議は進行中でユーロ安けん制発言を繰り返す可能性があります。欧州の悪材料によるユーロ安と、テクニカルに危険水準に近いドル高と、材料は違っても同じ方向となる点が個人的には非常に引っかかります。
テクニカルな面から日足チャートを見てみましょう。
トランプ大統領は8月20日にユーロ安けん制発言を行いましたが、その直前15日にユーロドルは1.1301の安値をつけました。先週金曜の安値は1.1336とわずか35pipsにまで接近しましたが、水準的に警戒感が高まって週末前のポジション調整につながったと考えられます。ドルインデックスも金曜には96.62と8月の96.87の水準に25ポイントにまで迫りました。中間選挙を前に、通商協議関連で週末に日本に対しては自動車関税の話を蒸し返しましたが、同様に米欧間でも通商協議は進行中でユーロ安けん制発言を繰り返す可能性があります。欧州の悪材料によるユーロ安と、テクニカルに危険水準に近いドル高と、材料は違っても同じ方向となる点が個人的には非常に引っかかります。
テクニカルな面から日足チャートを見てみましょう。
トランプ大統領は8月20日にユーロ安けん制発言を行いましたが、その直前15日にユーロドルは1.1301の安値をつけました。先週金曜の安値は1.1336とわずか35pipsにまで接近しましたが、水準的に警戒感が高まって週末前のポジション調整につながったと考えられます。ドルインデックスも金曜には96.62と8月の96.87の水準に25ポイントにまで迫りました。中間選挙を前に、通商協議関連で週末に日本に対しては自動車関税の話を蒸し返しましたが、同様に米欧間でも通商協議は進行中でユーロ安けん制発言を繰り返す可能性があります。欧州の悪材料によるユーロ安と、テクニカルに危険水準に近いドル高と、材料は違っても同じ方向となる点が個人的には非常に引っかかります。
テクニカルな面から日足チャートを見てみましょう。
今週のコラム
ユーロのコメント内でドルインデックスに触れていますので、今週はドルインデックスの日足チャートを見てみましょう。
ドルインデックス日足
ドルインデックスはユーロの割合が高いため、ユーロドルのチャートを上下逆にしたチャートに近いものがありますが、当然他の通貨の影響もあり微妙に異なる動きを示します。
ドルインデックスでも9月のドル安値から、こちらは上昇N波動を計算させると、100%エクスパンションが96.92と8月高値をやや上回る水準となっています。ピンクの垂直線はトランプ大統領がドル高をけん制した7月とユーロ安をけん制した8月に引いてありますが、後者の8月高値は現在の上昇波動から考えてもターゲットであり、けん制発言が出そうなレッドゾーンにあるということが再確認できるかと思います。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。
10月29日(月)
**:** 欧州・英国が冬時間
10月30日(火)
15:30 フランス7〜9月期GDP速報値
16:45 フランス9月消費支出
17:55 ドイツ10月失業率
19:00 ユーロ圏7〜9月期GDP速報値
19:00 ユーロ圏10月消費者信頼感確報値
22:00 ドイツ10月CPI速報値
10月31日(水)
09:01 英国10月GFK消費者信頼感
15:00 ドイツ9月小売売上高
16:45 フランス10月CPI速報値
18:00 オーストリア中銀総裁講演
18:30 イタリア中銀総裁講演
19:00 ユーロ圏10月CPI速報値
19:00 ユーロ圏9月失業率
11月1日(木)
18:30 英国10月製造業PMI
20:30 米国10月チャレンジャー人員削減予定数
21:00 英中銀MPC、四半期インフレ報告
21:30 英中銀総裁会見
11月2日(金)
16:00 ドイツ9月輸入物価指数
17:50 フランス10月製造業PMI改定値
17:55 ドイツ10月製造業PMI改定値
18:00 ユーロ圏10月製造業PMI改定値
18:30 英国10月建設業PMI
前週のユーロレンジ
始値 高値 安値 終値
ユーロドル 1.1511 1.1550 1.1336 1.1402
ユーロ円 129.45 130.20 126.64 127.58
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週のユーロ
10月22日(月)
ユーロは、東京後場に対ドル、対円で買いが入り一時的に上昇する場面は見られたものの、相も変わらずイタリア予算とブレグジットとを懸念材料に反転下落、NY市場では1.14台半ばと100pips以上の下落となりました。イタリアの予算案をEU側は容認しない可能性が高く、今後イタリアがどのような対応をするのかはっきりするまではユーロは買いにくい状況となりました。
10月23日(火)
ユーロドルは、ブレグジットとイタリア予算案が重石となる流れに変化はありません。北アイルランドとの関税問題は譲歩する、しないという話は出てきても前進は見られませんし、イタリアの予算案もイタリア政府は修正しないと発言しEUは再提出(3週間後の11月13日が期限)を求めと平行線です。ただ、ドル円でのドル売りの動きも影響し、ユーロ円こそ下げたもののユーロドルは安値圏でのもみあいとなり、その後ユーロ円とともに1.14台後半へとやや水準を切り上げて引けました。
10月24日(水)
ユーロドルは東京市場からブレグジット、イタリア予算の2つの材料を中心としたユーロ売りが継続し、欧州市場序盤には弱い経済指標も手伝って一気に前週の金曜安値を割り込みました。NY市場では株安からリスクオフの円買いがユーロ円にも見られ、ユーロ円の下げが上値を抑える格好でユーロドルは1.13台後半の安値圏でもみあいのまま引けました。
10月25日(木)
ユーロドルは、ECB理事会前の買い戻しでじり高の展開を辿りましたが、ドラギ総裁会見ではイタリア予算案の問題に質問が集中しました。総裁会見自体の反応は鈍かったものの、逆にイベント経過による安心感から改めてユーロ売りが出ることとなりました。NY市場ではユーロドルが1.1356レベルまで下押し後に若干戻しての引け。ユーロ円も東京市場の水準へと押す動きとなりました。
10月26日(金)
ユーロドルは、東京市場では安値圏のもみあいで全く動かずでしたが、欧州市場に入りドイツとイタリアの国債スプレッド拡大をきっかけに改めて問題視され1.1336レベルの安値をつけました。その後は、トランプ大統領が8月にユーロ安けん制発言を行った1.13台前半という水準に対する警戒感とドル円のドル売りの動きから週末を前にした買い戻しが優勢となりNY市場では1.14台乗せを見て底堅いまま引けることとなりました。
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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