トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、平行チャンネルの中での上昇を継続し「18.50レベルをサポートに19.40レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が18.20レベル、高値が19.27レベルと予想レンジよりもやや低い水準ではあったものの平行チャンネルの中で上昇トレンドを継続しました。
先週のトルコリラ円は、時間は経ってはいるものの9月26日のFOMC後の全般的なドル高が継続する中で、新興国通貨と米金利とでは金利差が縮小していること、また米金利上昇にも関わらず米国株が堅調な地合いを推移していることもあって、新興国通貨から米国へと資金が還流している様子が見られたことが、トルコリラが秋を通して売られた理由とみられます。
また、先週のショートコメントに「トルコ政府がマッキンゼーとコンサル契約を結んだ」との記事がユルマズ氏のtwitterにあると書きましたが、やはり同氏のtwitterに「エルドアン大統領がマッキンゼーとの提携解消」とあり(6日)、同件に関してはエルドアン大統領がどの程度関与して契約を結び解除する流れとなったのか、あまりにも短期間の出来事で側近あたりが勇み足をしたのかもと思わせる急展開でした。このこともトルコリラ売りに多少は関係したように見えます。
今週は、トルコの材料としては2週間前のトルコリラレポートにも書いた「米国人牧師ブランソン氏は10月12日にトルコの裁判所に出廷」がこの週末にあたります。そこに向けて解放されるかどうかの思惑でのトルコリラの動きが考えられます。
また、先週発表されたCPIは予想を大きく上回る前年比24.5%となったことから、アルバイラク財務相が今週中にインフレ対策を発表するとしていますが、こちらも内容次第ではどちらにも振れる可能性があります。マッキンゼーと提携解消の代替案という面もあるのならば、大胆な政策が求められると思いますが、エルドアン大統領の娘婿なので大統領の顔色を伺った内容ということになると失望を招く可能性の方が高いかもしれません。
いずれにしても現状では好材料、悪材料どちらが出てくるのかわかりませんので、発表を待ってからの反応ということになるでしょう。いっぽうで、こうした予定を前にしてトルコリラは週明け早朝は売りが先行し若干のギャップを空けて始まりましたが、すぐに週末水準へと戻しています。またテクニカルにも先週こそ下げたもののいまだ上昇チャンネルの中での動きになっていますので、今週はこのチャンネルを維持できるかどうかが、次の動きを探るきっかけになりそうです。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足
上昇チャンネルは残したままですが、先週初の高値19.27が急落後の戻し高値19.40に届かず、その後チャンネル上限から反落する動きとなったことで、ここから再上昇してチャンネル内の動きを継続すれば19.40を上抜けるのですが、上記の通りで今週の材料次第という感じです。逆にチャートだけ見ていると先週の動きは目先の高値をつけ、いったん調整が入りそうな動きに見えます。
その場合のターゲットとしては上昇チャンネルの起点となっている安値16.22と先週高値との半値押し17.74となりますが、ここまで下げると上昇チャンネルは下抜けが確定します。売り材料となった場合には8月末から続いている上昇トレンドに終止符を打って下降トレンドへと転換することになりますが、どちらかというと下げる可能性の方が高いように思えます。今週はチャンネルを下抜ける展開をメインシナリオとして17.80レベルをサポートに18.80レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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