ユーロドル 1.1490-520レベルで神経質な動き
9月の米国雇用統計発表を今晩に控えた5日の東京市場で、ユーロドルは1.15近辺での神経質な動きに終始しました。
昨日は米長期金利の急上昇に、日本を含む主要国の長期金利もつれて上昇、短時間の急激な金利上昇が各国の株式市場を毀損し、リスク選好が後退するという不安定な動きとなりました。
そうした中で東京時間に1.1464までユーロドルで進んだドル買いも一旦は後退、深夜には一時1.1543まで80ポイント近くドルが売り戻される展開となりました。しかしその後は雇用統計を控えて様子見気分が強まり、海外終盤から現在までほぼ1.1490-1.1520の狭いレンジの中での取引が続いています。
パウエル議長がFOMC後各地の講演で繰り返したトランプ大統領張りの米景気楽観見通しと、さらに昨日未明の「中立金利を超えて金利を引き上げる可能性」の示唆が今回の相場変動の起点である以上、金利の急激な上昇が招いた米株価の調整は一時的なものに終わる公算が大きいものと考えられます。
あのままドルの一方向での上昇が続く中で雇用統計を迎えていた場合には、内容が仮によくても「セル・オン・ファクト」でドル売りになっていた可能性が高かったところ、ユーロドルも一旦ポジション調整が行われたことにより結果次第で一段のドル高が進む目も出てきたように思えます。
昨日来、ユーロドルがたびたび1.15を割り込んでいることからも、米金利というあらゆる金融市場の中心指標の見通しに生じた歪みが、これまで1.1500-1.1850を軸に想定されていた中期的なユーロドルのレンジを下方修正したことは疑いありません。
問題はその修正幅が昨日安値1.1464をベースとする40-50pips程度のものなのか、それとも8月の安値1.1301までの200pipsの変動を見込むものなのか、あるいはそれとは別のレンジなのかですが、これは今晩の雇用統計の結果を踏まえての相場の動きを見て、判断していくしかなさそうです。
雇用統計の市場予想は、非農業部門の雇用者数が18万5千人と最近の流れでは「中庸」な数字、失業率は3.8%と今年5月と並ぶ18年ぶり低水準への下落、平均時給の伸びは年率で+2.8%と前月の+2.9%からやや鈍化とほぼパウエル議長の「インフレなき雇用増」の見解に沿った内容といえます。
序盤の欧州株価指数先物は長期金利の高止まりとアジア株の軟調を受けほぼ全面安。雇用統計は本日日本時間21:30に発表されます。
ユーロドル日足
オーダー/ポジション状況
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