<< 東京市場の動き >>
25日の東京市場は、ドルが小幅続伸。一時113円手前まで上昇する局面も観測されたが、上抜けることは出来なかった。
ドル/円相場は、112.75円前後で寄り付いたのち、日中安値の112.70円レベルを示現。その後は緩やかなドル高傾向がうかがえる展開となった。先週末と前日、2度超えられなかった112.85-90円で一時上げ渋るも、上抜けると113円近くまで一気に値を上げている。結局、東京時間中に113円台回復はならなかったが、ドルは強保ち合いを続け、16時時点でも112.90-95円の高値圏で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、そうしたなかトルコリラが終盤にかけて急伸、対円では18.20円台から18.60円近くまで上値を拡大させている。「トルコで拘束されている米国人牧師が解放される公算が高まった」−−との思惑が台頭すると、トルコ買いに繋がっていたという。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き米中あるいは日米を中心とした「貿易問題」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、日米に関し、「貿易協議、米側からの要請で25日夜に延期」になったことが明らかになるなか、菅官房長官から「新貿易協議、日米双方の利益となるような議論を期待」との発言が聞かれていた。米中に関しては、日経新聞がIMFによる分析として「貿易戦争が米中の成長を押し下げる」と報道、また中国商務次官による「貿易交渉再開時期を決定するのは完全に米国次第」といった発言が報じられている。
対して後者は、トランプ米大統領が「2度目の米朝首脳会談を近く発表できる」「6月に会談を行ったシンガポール以外の場所となる可能性が高い」などと発言したほか、河野外相から「訪問先であるNYで北朝鮮外相との接触があるかもしれない」とのコメントが聞かれていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ジリジリとした動きだが、ドル/円はついに113円直前まで値を上げ、7月高値の113.17円や年初来高値の113.38円などがターゲットとしてしっかりと捉えられてきた。ポジションの偏りは気掛かりだが、リスクと言う点では間違いなくドル高にバイアスがかかりそう。米株などの動き如何といったところもあるものの、早ければ本日中にも113円台回復、年初来高値更新といった展開をたどる可能性も否定出来ない。
材料的に見た場合、米中そして日米を中心とした貿易戦争懸念の高まりが、依然として指摘されている。これまで再三再四指摘してきたように、米株はというとおおむね堅調に推移しており、巷間で取り沙汰されているほどマーケットは不安視していない感も見られるが、日米については延び延びになっていた新貿易協議、そして首脳会談が実施される25-26日がひとつのヤマ場になりそうだ。振り落しの動きにも一応注意しておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル高方向のリスクは依然継続。本日東京時間高値の112.95-00円を超えれば、7月高値の113.17円、そして年初来高値113.38円などを目指す展開が見込まれている。
なお、そこから先の上値メドとなると113.65-75円、そして昨年11月高値の114.74円となりそう。ポジションは偏っているものの、テクニカル的には一気に115円へと接近することがあっても、それほど不思議ではないのかもしれない。
一方、材料的に見た場合、9月のリッチモンド連銀製造業指数や同消費者信頼感指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による5年債の入札も実施される見込みだ。それらは当然要注意。また、明日までの予定でFOMCも実施される予定となっている。
しかし、本日はそれらに加え、政治的な要因に注意を払いたい。最たるものは、前記した「日米新貿易協議」になろうが、国連総会におけるトランプ米大統領の演説も注視したい。11月の中間選挙も見据え、「アメリカン・ファースト」を改めてアピールすることは確実で、それを受けた各国の反発などが相場の波乱要因に!?
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.40-113.40円。ドル高・円安方向は、本日東京時間に超えられなかった113円レベルの攻防にまずは注視。抜ければ113.17円や113.38円、113.65-75円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、112.70円レベルや112円半ばなどに弱いサポートが位置するものの、強い下値メドとなると昨日記録した安値112.27円か。いずれにしても、かなり底堅いイメージだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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