ユーロ続落、トルコ対米全面対決姿勢で
週明けの東京市場でユーロは続落。
先週末の海外時間に期待されたエルドアントルコ大統領からの対米融和姿勢の表明は無く、「トルコは経済戦争に勝利する」とほぼ全面対決姿勢。娘婿の財務相アルバイラク氏の記者会見でも市場を納得させる具体策は無く、ユーロは1.1413まで下落して越週しました。
これに対しトランプ大統領はトルコからの鉄鋼製品輸入に13日から50%の関税を課す方針を表明。一方エルドアン大統領は米ニューヨークタイムズ紙に米国の経済制裁の理不尽とその見直しの必要性を説き、トルコの米国との同盟関係離脱の可能性を示唆する記事を寄稿した他、週末行った演説でもトルコの企業に対し「外貨を買うな」と呼びかけるなど週末も対決姿勢を崩しませんでした。
週末10日に関しては欧州系銀行のトルコエクスポージャー懸念によるユーロ安が引き金を引いたトルコリラ安だったこともあり、土日のトルコ情勢の予想以上の泥沼化に週明けオセアニア市場でユーロドルは前週末のNYクローズ1.1413から下方向に窓を開け、1.1388で取引が始まりました。
その後トルコ当局からトルコリラの売りポジション縮小を目論んだと思われるスワップ規制や、準備率の引き下げによる市中銀行への流動性供給等の措置が発表され、一時1.1412までユーロが回復する局面もありましたが続かず、短時間でほぼ窓が埋まったことから売り安心感も出て、再び1.14を割り込んで、東京時間18:30現在は1.1385レベルでの取引です。
これまでもトルコリラはたびたび下落を繰り返してきましたが、影響がここまで世界規模に拡大したことはあまり記憶にありません。13日のアジア市場は「トルコショック」で株安と円高が進行。ユーロ圏に関してはより関係が密接なだけに影響は甚大で、序盤の欧州株価指数は全面安。トルコに対するエクスポージャーが大きいとされたスペイン、イタリア、フランスの国債は軒並み売られています。
テクニカルにはユーロドルは1.1360の200週移動平均レベルをかろうじて維持していますが、チャートの形状も悪く、当面のターゲットは2017年初の安値1.0341から今年2月高値1.2555への上げの61.8%戻しの1.1187。ただし先週の下げで中期のヘッドアンドショルダーが形成された可能性が高く、その場合のターゲットは1.05レベルまで広がることは意識しておく必要があります。
EUR/USD週足
オーダー/ポジション状況
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