ランド円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが、下げを試しやすいチャートであることから「8.45レベルをレジスタンスに、8.13レベルをサポートとする週」を考えました。実際のレンジは、安値が7.83レベル、高値が8.37レベルと急落の週となりました。
先週のランドは、トルコリラショックが新興国通貨全般に波及する大幅安の相場となり、ランドもその例外ではありませんでした。こうなるとランドとか南アフリカといった材料は関係なく、新興国、高金利、低流動性、ハイリスクといった言葉が連想される資産全てに売りが入ります。1990年代後半のアジア通貨危機がまさにその状態で、マレーシアに至っては為替市場からの撤退(国内におけるオンシュア取引のみの固定相場)を余儀なくされたのです。
20年も経つと人々の記憶から薄れますし、そんな時代は知らないという若い方も多いと思いますが、FXの場合レバレッジが効いているため、新興国通貨で何かがあるとリスクは大きいということは忘れてはいけません。新興国どころか主要通貨の一角を占めるスイスフランも2015年にあれだけの急騰(方向は逆です)を見せたこともあったわけですから、リスクに対する認識を改めて考えることになりました。
さて今週のランド円ですが、週明けの早朝相場では7.12まで続落しました。
変動が大きいため週足チャートから考えましょう。
ランド円は、長期的には2016年安値6.42から2018年高値9.29に向けての上昇に対しての調整に下げ相場にありました。ちょうど半値押しが7.86で、この水準は2017年以降何度か試した安値圏です。それが先週から今週初の動きで一気に下抜け78.6%(61.8%の平方根)押しの7.04にまで近づきました。トルコリラからの資金流出懸念が消えない以上、連鎖反応で7円の大台は試す可能性があると見ていたほうが良さそうです。今週も上値の重たい展開を考えざるを得ず、7.90レベルをレジスタンスに、7.00レベルをサポートとする週を見ておきます。
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