ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円はもみあい継続を前提として「8.25レベルをサポートに8.55レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が8.25レベル、高値が8.55レベルと、パーフェクトな予想でした。こんなことは滅多に無いことだと思いますので、今週の予想は要注意(ハズす意味で)かもしれません。
先週初はBRICSサミットにおけるラマポーザ大統領と中国との投資の話を継続しランドがじり高となる中で、ドル円が円安に動いたことも重なって3週前の高値8.55レベルに並びましたが抜けられず、利食い売りに押されてじり安となりました。さらにその後の動きとしてラマポーザ大統領は、白人が所有する土地を収用する憲法改正案が進んでいると発表し、この土地収用自体は前々から(2017年12月に発表)言われていたことではあるものの、売りのきっかけとなり週間安値での引けとなりました。
この土地収用問題は、かつて隣国のジンバブエでも行われたことがあり、ジンバブエ土地収用法では白人の持っていた土地(1%の白人が3割以上の土地を所有していた)を無償で黒人に再配分するといったものでしたが、この結果、白人が持っていた農業技術が失われ農作物の収穫が激減、史上最悪のハーパーインフレを招きました。
ジンバブエと南アフリカでは状況が異なりますし、ビジネスマン出身のラマポーザ大統領はうまく運営すると思うものの、混乱を伴うことは避けられないでしょうから、そのことがランドの悪材料とされているようです。憲法改正と実際の運用にはまだ時間があるでしょうが、懸念材料としてランドの上値を継続的に抑える要因となりそうです。
今週の南アフリカは目立った材料はありませんが、4週間以上ももみあいが続いていますので、時間的にそろそろどちらかに抜けてもおかしくはありません。そして、上記のような南アフリカ国内の状況を考えると、好材料でも高値は抜けきれず、その後に消化しきれない悪材料も出ているという点で、テクニカルにランド安を考えるべき環境にあると思います。
今週はまず日足チャートをご覧ください。
7月高値と先週高値とでダブルトップに近いチャートパターンとなっていて、そのネックラインが6月安値7.88と7月高値8.55との半値押しにあたる8.21と重なっています。またこの水準は6月中旬以降につけたダブルボトムのネックライン水準でもあります。現在の水準から重要なネックライン水準である8.20を試し、その後61.8%押しとなる8.13水準を試すという展開がもっとも可能性がありうる流れと言えます。
同水準を示した4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。
ここ1か月ほどで高値圏を形成し、下げを試しやすいチャートであることがわかりますし、8.21も8.13もこうして見るとかなり近い水準と言えます。今週は8.45レベルをレジスタンスに、8.13レベルをサポートとする週を見ておきます。
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