FRB議長の証言注視、ただレンジ取引継続も(7/17夕)

17日の東京市場は、おおむね揉み合い。112円台前半を中心とした一進一退で明確な方向性はうかがえなかった。

FRB議長の証言注視、ただレンジ取引継続も(7/17夕)

<< 東京市場の動き >>

17日の東京市場は、おおむね揉み合い。112円台前半を中心とした一進一退で明確な方向性はうかがえなかった。

ドル/円相場は、寄り付いた112.25-30円を日中の安値圏にドルが買い進まれるも、上値は112.55-60円まで。前日高値(112.56円)に面合わせしたが抜け切れず、その後は112円台前半を中心とした揉み合いに。新規材料が乏しいこともあり、動意も全般的に乏しく、明確な方向性はうかがえなかった。終日を通した値幅は30ポイント強にとどまり、16時時点では112.35-40円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易戦争」について。米通商代表部(USTR)が「中国、EUなど5ヵ国・地域について世界貿易機関(WTO)に提訴する手続きを始めた」と発表するなか、週末のG20財務相・中銀総裁会議における協議が思惑を呼んでいた。たとえば、NHKは「貿易の問題が焦点になる見通し」としたうえで、「日本は自由貿易の重要性を訴え、各国に冷静な対応を求めることにしている」と報じている。
そうしたなか、安倍首相が豪雨災害対策として「今後とも国として必要な財政措置を取る」、またいったん取りやめていた「広島県の視察を21日に行う方向で調整に入った」との報道も観測されていた。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日から、本日ここまでの値動きは112.10-60円といった、わずか50ポイント程度にとどまっており、良く言えば小康状態。ドル高基調にあるなかの中段保ち合い、時間調整の局面に入っている感も否めない。現在のような時間的なものなのか、それとも価格的なものとなるのかは不明だが、いましばらくのあいだ調整的な値動きが続く可能性も一部で指摘されていた。
材料的には、引き続き「米貿易戦争懸念」がくすぶるなか、本日から明日にかけて行われる「パウエルFRB議長の半期に一度の議会証言」に注目が集まる。基本的には利上げ姿勢継続でドル買い要因、との見方が有力だが、「通商摩擦や米経済成長の減速懸念などが強調されドル安への反応」を警戒する声もなくはない。いずれにしても、議会証言前後の相場は一時的に荒れる展開もありそうだ。

テクニカルに見た場合、ドルは112円前後でかなりの底堅さをうかがえる反面、上値も重く113円を前に足踏みとなっている。ある意味では居心地の良さそうな112円台を中心とした一進一退がいましばらく続いても不思議はないだろう。
ただ、仮に直近高値112.80円レベルを超えた場合には、名実ともに113円台乗せが現実味を帯びてきそうで、2016年12月高値118.66円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻し113.30円レベルがターゲットに。対して112円を下回った場合には、先週しっかりと上抜けてきた週足の一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する111.40円レベルが意識されそうだ。

一方、材料的に見た場合、6月の鉱工業生産や7月のNAHB住宅市場指数など幾つかの米経済指標が発表されるうえ、ゴールドマン・サックス・グループなどによる決算発表も実施される予定となっている。
また、それ以外では先で指摘した「パウエルFRB議長の半期に一度の議会証言」に要注意。ちなみに、ブルームバーグでは「議長が金融政策運営に当たって直面している最大のリスクは、貿易摩擦と緩和的な財政政策だ。そして、この2つは政治的にもっとも厄介なワナでもあり、パウエル議長は今週の議会証言で地雷を踏むのを避けようとするだろう」−−と報じていたが、果たして実際のところはどうなのだろうか!?

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.80-112.80円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値も近い112.60円レベルが最初の抵抗で、抜ければ先週末のドル高値112.80円、113円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の112.10円レベルが目先サポート。まずはその攻防に注意したい。ただ割り込んでも、111円台後半などにサポートは多く底堅そう。(了)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る