<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場は、ドルが続伸。「米中貿易戦争懸念」が引き続きくすぶってはいたものの、目先の材料は出尽くしとの見方も聞かれ、散発的なドルの買い戻しが観測されている。
ドル/円相場は、110.55-60円前後で寄り付いたが、基本は揉み合い。終日を通したレンジは30ポイントにも届かず、明確な方向性は乏しかった。
ただ、「米の対中制裁関税が発動」した午後1時を過ぎても、ドルは底堅いどころかじり高となり、日中高値の110.75-80円を記録している。日経平均株価が先物の主導で大幅高となり、一時300円高を超えたことなどが好感されていたという。16時時点では110.60-65円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「米貿易戦争懸念」と「北朝鮮情勢」。
前者については、早朝から、「米の対中制裁関税発動」がそこここで話題に。実際に、午後1時に発動されたことに続き、カウンターパートである中国からは「米国との貿易紛争に関して世界貿易機関(WTO)に報告へ」との見解が示されている。対して後者は、米国務省報道官「米国の対北政策は変わっていない」、米大統領「北委員長、別の未来見ていると信じる」などといった発言が聞かれた反面、朝鮮日報は「北の核施設・ミサイル実験場、米朝首脳会談後も稼働中」と報じ、一部で物議を醸していた。
<< 欧米市場の見通し >>
どちらが引くのか「チキンレース」の様相を呈していた「米中それぞれの制裁関税発動」だが、結果からすると、ともに一歩も手を引くことなく、全面戦争への道に踏み出した感を否めない。ちなみに、こうした状況を「目先の材料は出尽くし」と指摘するのと同時に、株高・ドル買い戻しで反応する金融市場は、本当に正しいのか個人的にはやや疑問に思う。とは言え、チャートを素直に見ればドル高リスクが高いと言わざるを得ず、本日の東京に近い110.80円レベルをクリアすれば111円台回復、5月高値の111.39円も視界内に捉えられそうだ。
一方、材料的には、引き続き米貿易問題をめぐる動静が注視されるなか、米経済指標である6月の雇用統計発表など幾つかの注目イベントが実施される予定となっている。それらも当然油断は禁物で、荒っぽい価格変動にはこのあとも注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、移動平均の200日線が位置する110.20円前後がかなり底堅いイメージとなっている反面、ドルの上値もなかなか重い。たとえば、本日の東京高値である110.80円レベルは、目先高値111.14円を起点とした直近下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに合致する。抜ければ当然111円台回復、目先高値や5月高値などが視界内に捉えられるほか、週末ということで、週足・一目均衡表の先行帯の雲が今週位置する111.45-70円の攻防も注視されそうだ。
一方、材料的に見た場合、5月の貿易収支や6月の雇用統計といった重要な米経済指標の発表が予定されている。ちなみに、米雇用統計の先行指標でもあったADP雇用統計が昨日発表されたが、事前予想を若干下回る数値だった。本日の米雇用統計についても、一抹の警戒感を抱く声は少なくない。
そのほかでは、「対中制裁関税」に動いた米国に対する中国の報復の動きにまずは注目。また、米中を中心とした政府関係者などによる発言にも注意を払いたい。さらには、昨日報じた「英独仏中露とイランが核合意存続をめぐり外相会合を開催」などにも一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.00-111.20円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である110.80円レベルが最初の抵抗で、抜ければ111円台回復を目指すが、5月高値111.39円など、半ばまでにもテクニカルポイントは多い。
対するドル安・円高方向は、引き続き移動平均の200日線をめぐる攻防にまずは注視。しかし、一目均衡表の先行帯の雲の上限をはじめ109円後半から110円にかけてのサポートも多い。ドルの大崩れは予想しにくいか。(了)
ドル円5分足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2018.07.09
ドル円 5月21日からの三角持ち合い攻防続く(7月第2週)
7月6日夜には米雇用統計の発表があった。非農業部門就業者数は21万3000人増で市場予想の19万5000人増を上回り、
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2018.07.06
ドル円 米中貿易戦争開戦か?市場の反応待ち(7/6)
米民間雇用サービス会社ADPが発表した6月全米雇用報告では非農業部門民間就業者数が前月比17万7000人増となり、
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。