<< 東京市場の動き >>
27日の東京市場は、小幅にドル安・円高。ただ、基本的には110円挟みのレンジ取引で、依然として明確な方向性は乏しかった。
ドル/円相場は、110.00-05円で寄り付いたのち上昇。110.20円レベルを記録し、昨日高値に面合わせするも抜けられず。そこから値を崩すと、一気に日中安値の109.75-80円まで値を下げた。
その後は動意が乏しくなり、値幅も縮小。109円台後半を中心とした揉み合いをたどるなか、16時時点では109.85-90円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易戦争懸念」と「米の不法移民政策」について。
前者は、欧州向けバイク生産を米国から海外に移す方針を示したハーレー・ダビッドソンに対して、トランプ大統領が「ハーレーには高額の税金を課す」と発言する一方、カナダが米輸入制限措置に対抗し、「鉄鋼輸入制限を検討」などと報じられていた。対して後者は、米最高裁がトランプ政権による「イスラム入国規制」を支持することが明らかになるなか、「首都ワシントンなど計17州が不法移民政策を提訴」するなど、一筋縄でいかない感を改めて示している。
<< 欧米市場の見通し >>
米貿易戦争懸念がマーケットで大きな関心を集めていることは間違いない。そのなかで、米中については、昨日「米国が対中制裁関税を発動する7月6日が最初の大きなヤマ場となりそうだ」と報じたが、その見通しは変わらない。しかし、7月1日には対米強硬派が有利とされる「メキシコ大統領選が実施される」うえ、半ば以降には「EUが対米対抗措置発動」、そして「日米貿易協議の初会合」−−などが別途見込まれている。つまり、仮に「対中」という最大の関門以外でも、クリアしなければ課題は短期的にも多く、またその期限がジワリと迫りつつある感を否めない。この先当面のあいだ、ドルの上値抑制要因となりかねない気もしている。
なお、6月も残り数日、月末が近づいているが、月初めの1日を除くと、今月の価格変動は109.20-110.90円で2円にも満たない。過去の経験則からすると、「サッカーのワールドカップ期間中の為替の動意は鈍くなる」傾向があるだけに、基本的にはレンジ取引がいましばらく続くといった諦めモードの指摘も聞かれるが果たして結果は!?
テクニカルに見た場合、値動きそのものがないわけではないのだが、レンジ内での乱高下、上下動にとどまっている。目先的には移動平均の200日線が位置する110.20-25円レベルが抵抗となっているうえ、上抜けても110.75-90円はかなり強いテクニカルポイントか。
対して下方向は、時間足など短期ベースでは、直近だけで3度もサポートされている109.35-40円が強固なサポートとして意識されている感を否めない。上下のポイント、そのどちらかをしっかり抜ければ、次の方向性が示されることも予想されるだけに、まずは動静を注視しておきたい。
一方、材料的に見た場合、5月の耐久財受注速報や同中古住宅販売成約指数など、幾つか米経済指標が発表される予定であり、それらは一応要注意。また、米財務省による5年債の入札や、ローゼングレン・ボストン連銀総裁の講演などにも警戒しておきたい。
さらに、インタファクス通信は25日、「ロシアのラブロフ外相が27日、モスクワで米国のボルトン大統領補佐官と会談する」と報じていただけに、その動静も気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.30-110.30円。ドル高・円安方向は、昨日高値であり、移動平均の200日線も位置する110.20-25円の攻防にまずは注目。ただ、上抜けても21日高値の110.75円、6月高値110.90円など、111円手前のテクニカルポイントは多い。
対するドル安・円高方向は、先で指摘した109.35-40円がなかなか強いサポートで、割り込んだ場合には8日安値の109.20円がターゲットに。
オーダー/ポジション状況
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