先は方向性乏しく、ドル強保ち合いか

週明け18日の東京市場は、一時ドル安が進行するも「行って来い」。ザラ場ベースでは110.30円レベルまで値を下げるも底堅く、その後は再びドルが買い進められている。

先は方向性乏しく、ドル強保ち合いか

<< 東京市場の動き >>

週明け18日の東京市場は、一時ドル安が進行するも「行って来い」。ザラ場ベースでは110.30円レベルまで値を下げるも底堅く、その後は再びドルが買い進められている。

ドル/円相場は、先週末のNYクローズと大差ない110.65円レベルで寄り付いた直後に日中高値の110.70円を記録。その後は、日経平均など日本株の大幅安を嫌気する格好でドル安・円高が進展すると、110.30円レベルまで値を下げたが、移動平均の200日線(110.20-25円)を割り込めずに流れが反転した。
大引けにかけ再びドルはじりじりと値を戻し、16時時点では110.55-60円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、午前8時ごろ発生した「大阪府北部を震源地とした震度6弱の地震」について。津波や原発などに関する大きな被害はなかったものの、数名の死者が出たことや停電、一部ライフラインの停止なども報じられ、為替はともかく、株価については関連銘柄で一定の影響が見られた感を否めない。
そうしたなか、「北朝鮮情勢」や米中を中心とした「貿易戦争懸念」についても、週末から本日にかけて幾つかの報道が観測されると、話題となっていたという。

<< 欧米市場の見通し >>

リスクという点ではドル高方向にバイアスがかかるものの、目先は新規材料に欠けることもあり、ドルは強保ち合いをたどるといった見方も少なくない。先週末からの109.90-110.90円、もう少しザックリ言えば、短期的には110-111円を中心としたレンジ取引が続く可能性も否定出来ないようだ。
一方、現在のところ、マーケットを取り巻く材料は大きく2つ。ひとつは日米などの「金利差」で、これは間違いなくドルの支援要因。しかし、もうひとつの材料である「米中」を中心とした米貿易戦争懸念が再燃していることは逆にドルの弱要因に。現状は、強弱材料の綱引き状態で微妙なバランスを保っている感がある。今後、「どちらがより材料視されるのか」−−によって、ドルが111円を超えていくのか、それとも反落し108-109円へと向かうのか、次の方向性が決定されるイメージだ。

テクニカルに見た場合、先週末に報じた「目先安値108.12円を記録後のドルは、綺麗な上昇チャンネルラインを形成している」状況に変化が見られない。大きな意味ではドル高基調が継続しているのかもしれない。
ただ、ドルの上値は先週記録した直近高値の110.90円や心理抵抗の111円レベルで上値が重そうな反面、下値については移動平均の200日線(110.20-25円)や一目均衡表や移動平均など複数のテクニカルポイントが位置している109円後半はかなり底堅そう。そう考えると、短期的にはなかなか居心地の良さそうな110円台を中心とした値動きが続く可能性もある。

一方、材料的に見た場合、6月のNAHB住宅市場指数といった米経済指標が発表される予定で、その内容は一応要注意。
ただ、本日はドラギECB総裁やウィリアムズNY連銀総裁など、欧米の中銀関係者が講演や会合挨拶などを行う見込みで、そちらにはより注意を払いたい。とくに、先週には一時ユーロ急落のトリガーを引いた格好であるドラギ発言を警戒する声がマーケットでは優勢となっているようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.10-111.10円。ドル高・円安方向は、先週記録したドル戻り高値の110.90円レベル、そして111円などが最初のターゲット。上抜ければ、5月高値111.39円が視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京時間にも割り込めなかった移動平均の200日線(110.20-25円)をめぐる攻防を注視。ただ、割り込んでも109円後半はテクニカルサポートが多く、かなり底堅いイメージだ。(了)

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