ユーロドル、一旦下げ止まるも下値不安燻る
昨晩のECB政策発表後一瞬の高値1.1851から、実に287ポイントもの暴落から一夜明けた東京時間のユーロドルは、さすがに下げも一服し、1.15台半ばで静かな取引となりました。
日中は1.1555-85の狭いレンジでやや下値を広げながらもほぼ横ばい推移、ただ、夕刻欧州勢参入後は一時1.15を割り込む動きとなるなど、引き続きユーロの下値不安が燻る状況で、今のところ反発の兆しは見られません。
昨晩はECBに年内の債券買い入れ終了をステートメントに謳うという大きな政策転換がありましたが、市場は9月以降年末までの債券買い入れ半額継続と、「少なくとも来年夏まで」の政策金利の維持をECBの弱気と捉え、ユーロに一気に売りが集中しました。
発表直後の反応がユーロの急上昇だっただけに、発表後に誤って1.18台を買ってしまった向きはさぞや大変な思いをしたものと思われ、やはり大きなイベント直後の相場にのるのはリスクが高いと改めて感じさせる相場展開でした。
2Qに入っても冴えないユーロ圏の経済指標と、ドイツ方面を中心とする、半ば国家的歴史的背景に基づくインフレ懸念ベースのタカ派発言にどう折り合いをつけるのかが注目された今回のECB理事会でしたが、見事な玉虫色の解決策にユーロ安、株高、長期金利安を手にいれたドラギ総裁はやはり「やり手」と言わざるを得ません。
一方で本日の某国日銀金融政策決定会合では、今回物価の現状判断を引き下げざるを得ない状況となりました。総裁記者会見では、2015年に国際会議の場で黒田総裁がピーターパンを引き合いに、物価上昇はそれを信じる前向きな姿勢と確信により成し遂げられるとの趣旨の発言したのを持ち出され、今でもそう考えているのかと揶揄されたのに対し、「それでも信じなければ上がらない」と答えるなど、冗談のようなやりとりが見られました。
ユーロドルは昨晩の下落により、5月末につけた今年の最安値1.1510に迫る勢いとなっています。
下落が大きかったために通常の細かいテクニカル分析はあまり意味が無くなっている状況ですが、今晩1.1510を踏みとどまれるか否かは大きく、下抜けた場合には2017年1月の安値1.0341から2018年の高値1.2555までの上昇の半値戻し1.1448や200週移動平均1.1416、89週移動平均1.1456の集中する1.14台前半から半ばを試していく動きとなりそうです。
序盤の欧州株価指数先物はまちまちの推移、18:00発表の5月のCPI確報は前年比+1.9%で速報と変わらず。今晩この後は21:30に6月NY連銀製造業景況指数、22:15米国5月鉱工業生産、設備稼働率、23:00米国6月ミシガン大消費者信頼感指数速報値が予定されています。
オーダー/ポジション状況
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