ユーロ下げ幅拡大、米指標が追い討ち(6/14夜)

ドラギ総裁の記者会見開始と同時に発表された5月の米小売売上高速報値が予想前月比+0.4%に対し+0.8%と予想を大幅に上回ったこと、

ユーロ下げ幅拡大、米指標が追い討ち(6/14夜)

ユーロ下げ幅拡大、米指標が追い討ち

ドラギ総裁の記者会見開始と同時に発表された5月の米小売売上高速報値が予想前月比+0.4%に対し+0.8%と予想を大幅に上回ったこと、同時に発表された輸入物価指数も予想前月比を上回るものであったことから、為替市場では再びドル買いが優勢となり、ユーロドルは1.16台前半まで下げ幅を拡大しました。

ドラギ総裁は記者会見で今回のガイダンスの変更を持続的なインフレ上昇によるものと説明、決定は全会一致であったと述べています。また、ECBは2018年と2019年のインフレ見通しを+1.4%から+1.7%に引き上げる一方で2018年の経済成長率を従前の+2.4%から+2.1%に下方修正したと明らかにしました。

今回、ユーロにとって決定的だったのは12月までの債券買い入れの延長とECBがステートメントで少なくとも2019年夏までは政策金利を変更しないとした文言です。
これにより最近のユーロ圏と米国との景気拡大の温度差が、今年から来年にかけて両経済圏の金利上昇の速度の差による金利差拡大をもたらすことが、今回のFOMCとECB理事会での議論で水際立って明らかとなったことから、ユーロドルは本日高値1.1851から23:00までの安値1.1640の差が211ポイントに達し、更に下値を探る動きとなっています。

今晩の急落でユーロドルは目先のテクニカルなサポートをすべて下抜けて、歯止めが見つからない状況です。当面の下値目途は5/29安値1.1510、そこを下抜けると2017年1月安値からの上昇幅の半値戻し1.1448を再び目指す流れとなりそうです。

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