ユーロドル横ばいの後夕刻にかけ小幅反発
30日の東京市場でユーロは日中1.15台前半で横ばい推移しましたが、欧州勢参入とともに本日は小幅反発。東京時間18:00現在は1.16挟みでの推移となっています。
夕刻発表されたドイツ4月の小売売上高は前月比+0.5%の事前予想を上回る+2.3%を記録、また5月の失業者数も予想を上回る減少を見せました。
また、18:00に発表された5月のユーロ圏の景況感や業況判断指数はいずれも事前予想を上回っています。
昨日、一昨日とイタリア政局混迷を材料に売られたユーロでしたが、イタリアの状況に特段の改善は見られないものの、ユーロの売り疲れと上記経済指標の改善にやや買戻しが入っています。ユーロの反発にユーロ円も126円台で取引されており、一旦は下落に歯止めがかかった形です。
懸念された第2四半期のユーロ圏の経済指標が比較的落ち着いた内容であることはユーロにとって好材料ですが、ユーロのテーマの中心は既にイタリア情勢に移っており、為替以外の債券市場(10年もの利回りは本日3.0%まで11BPほど低下)、株式市場等も一時的な小康状態を保っているとは言え、各市場とも下値リスクが後退したとまでは言い切れない状況です。
昨日閣僚名簿を公表できなかった元IMF幹部の首相候補コッタレッリ氏は本日現地時間の午前中にマッタレッラ大統領と非公式に会談を持ったと伝えられていますが、現在のところ閣僚名簿の発表は無く、同氏の組閣に悲観論が出始めています。一方で「五つ星運動」と「同盟」が再度組閣を画策しているとの報道もありますが、財務相には引き続きユーロ懐疑派のサボナ氏を充てることを主張しているとされています。
仮にどちらかの組閣が成立し、選挙が回避されたとしても、ユーロ買戻しの材料となるかは首相および財務相を含む閣僚名簿の中身次第となります。いずれにせよ今晩もイタリアの政局からは目が離せません。
本日この後21:00にはドイツの5月のCPI速報値が発表されます。事前予想は前月+1.6%を上回る+1.9%、また明日未明(3:00)には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表されます。
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