<< 東京市場の動き >>
30日の東京市場は、「行って来い」。一時ドル安が進行し、下押しが入るも続かず、その後は巻き戻しの動きから値を戻している。
ドル/円相場は、108.75円レベルで寄り付いたのち、日中安値である108.35円レベルまで軟化。前日比306円の大幅安で寄り付いた日経平均株価がさらに下げ幅を広げ、一時400円を超える下落をたどったことなどが嫌気されていた。
しかし、株価もジワリと巻き戻しが入ると、為替も合わせる格好で徐々に円売りが優勢に。夕方には寄り付きレベルを超える108.90円近くまで上昇。16時時点では108.80円前後で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、本日もまずは「北朝鮮情勢」。サンダース米大統領報道官から「北朝鮮のキム朝鮮労働党副委員長は、今週後半にポンペイオ国務長官と会談する」との発言が聞かれるなか、朝鮮日報「北高官、訪米の際に金委員長の親書を持参」、韓国大統領府「米朝交渉は順調、との評価」などといった報道や発表が観測されていた。
それらとは別に、NHKが「米財務省高官、イタリア伊政治混乱の金融市場への影響をG7の議題に」と報じ、一部で話題になっていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日もレポートしたように、ドル下押しの初動一服後は、しばらくは中段保ち合いの様相を呈する公算が大きいと考えていた。具体的には「4月末から5月初旬にかけて推移した108.65-110.05円といったボックス圏での揉み合い」−−のようなイメージだったわけだが、実際の値動きをみるとなかなか微妙なレベルへと到達している。ドルの下押し続くか否か正念場にあるのかもしれない。いずれにしても、相場は今後108-110円といった感じのレンジ取引となるのか、それともドルにさらなる下押しが入るのか、動静には要注意。
材料的にも、強弱が交錯しているが、トルコやイタリア、スペインなど欧州を中心とした政治情勢、米中や米欧、北米自由貿易協定(NAFTA)をはじめとする貿易問題など気掛かりな要因がやや目立つ。少なくとも、それらがドル買いの足かせとなる可能性は否定出来ず、上値を抑制することになりそうだ。
テクニカルに見た場合、昨日の欧米時間に3月26日に記録した安値104.58円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%押しに当たる108.80円、今月4日安値である108.65円をともに下回り、108.12円までドル安が進行している。これを受けた、テクニカルな次の下値メドはまず108円レベル、そして107.70円レベルに位置する移動平均の75日線などが意識されているようだ。
なお、先週末から今週初めにかけて「雲が捻じれる」格好となった一目均衡表の先行帯の雲は、本日上限が107.60円レベルに位置するだけでなく、今後さらに上昇、来週には108円台を回復してくる。一連の過程のなかで、日足が雲の中に埋没、あるいは下限割れへと向かう可能性も否定出来ない。
一方、材料的に見た場合、5月のADP雇用統計や1-3月期のGDP統計改定値数といった幾つかの米経済指標が発表されるほか、米地区連銀経済報告の公表も見込まれている。ちなみに、そのなかで週末に発表される米雇用統計との高い相関性が指摘されるADPの予想値はプラス19万人程度で、前月比微減との見方が有力なようだ。
そのほか、「FRBがボルカー・ルール見直し案めぐる会合が開催される」ほか、来月1日に期限切れとなる「米鉄鋼関税の適用免除」についてマルムストローム欧州委員がパリでロス米商務長官、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表らと会談する予定とされる。こちらについても一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.20-109.40円。ドル高・円安方向は、109.10-15円に弱い抵抗が位置しており、まずはその攻防に注目。抜けると、109円半ばが次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日記録したドル安値108.12円が最初のサポートで、少し下に位置する108円前後の攻防にも要注意。下抜ければ一目均衡表の先行帯の雲などが意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.03.28
東京市場のドルは151円30銭台での小動き、為替介入を意識した神経戦の地合いは継続(24/3/28)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、政府・日銀による介入警戒感が高まっていることで、ドルは151円半ばでの小動き推移となった。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.03.28
ドル円151円台前半中心の動き、介入警戒感から上値重い (3/28午前)
28日午前の東京市場でドル円は151円台前半中心の動き。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.03.28
ドル円見通し 日銀・金融庁・財務省の三者会談きっかけに反落するも151円台維持(24/3/28)
ドル円は2023年11月13日高値151.90円及び2022年10月21日高値151.94円を超えて33年8か月振りの高値とした。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2018.05.31
ドル円反発、イタリア政局への懸念後退(5/31朝)
30日の海外市場では、イタリアの政局に対する過度の悲観が後退、リスク回避の巻き戻しの動きが中心となりドル円は109円台を一時回復、
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2018.05.30
ドル円 米朝問題からイタリア問題へ下落二段目(5/30)
米朝首脳会談を中止するとのトランプ大統領発言からリスク回避感が強まって5月23日、24日と急落して24日深夜に108.95円の安値をつけた。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。