トルコリラ円レポート月曜版(2018/4/9)

先週のトルコリラ円は、週半ばにドルトルコリラが前週高値を上抜け、更には金曜に2週前の金曜につけたドルトルコリラ高値(トルコリラの史上最安値)を抜けたことで

トルコリラ円レポート月曜版(2018/4/9)

トルコリラ円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円の上昇は短期的な動きと見て「26.60レベルをサポートに27.20レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が26.33レベル、高値が26.90レベルと、予想よりもトルコリラ安での推移となりました。

先週のトルコリラ円は、週半ばにドルトルコリラが前週高値を上抜け、更には金曜に2週前の金曜につけたドルトルコリラ高値(トルコリラの史上最安値)を抜けたことで週を通してトルコリラ安が継続しました。週初に発表されたCPIは予想からは大きくズレはしなかったものの、前年比10.23%と高止まりしている中、トルコ中銀の引き締め期待が弱いことあたりからトルコリラ安が先行。

その後も新しいテーマでは無いものの、4日にシリアへの内政干渉についてトルコ、ロシア、イランの3か国首脳会談が開かれ、引き続きシリアへの内政干渉とテロ掃討の動きに終わりが見られないことも懸念材料となっています。特にこれら3か国は米国と対立していることもあり、トルコは米国から追加関税での特定国リストに入っていることと合わせて悪材料となっていたと考えられます。

また、ポジション的にも3月23日の金曜朝の急落でかなりの強制ロスカットが発生したトルコリラ円のポジションですが、その後のポジションは目立った変化は無く逆にわずかに買いが出てきているようです。動きが収まると高金利通貨に買いが湧いてくるというこれまでと同様の状況ですが、強制ロスカットにかからなかったポジションは依然として高水準の買いが続いている(年初の水準に戻した程度)ことを考えると、需給的にはかなり不安が残ります。

さて、今週ですが特に目立った材料はありませんが、以前トルコのハルクバンクを舞台にマネーロンダリングに絡んで米国で逮捕されていたザラブ容疑者の裁判(判決言い渡し)が11日にニューヨーク南部地区連邦裁判所であるようです。ザラブ容疑者には懲役15〜20年(本来は105年)、罰金5〜50万ドルが課されるようですが、この判決よりもこれに絡んで米国対トルコで何かあるかどうかは一応気にしておいた方が良いかもしれません。ただ、他の材料に比べるとインパクトは小さいように思えます。

さて、ドルトルコリラはトルコリラの史上最安値となっていますが、トルコリラ円は上値は重たいものの比較的落ち着いた動きとなっています。これは先週のドル円の動きがリスクオフを挟みながらもその巻き返しの動きの方が強く、全体としてはドル高の中、対トルコリラでのドル高・トルコリラ安が大きかった程度に収まったためです。しかし、ドル円も米国の通商交渉に絡んでいつリスクオフの円高に回帰するとも限りませんので、引き続き高水準のトルコリラ買いポジションが継続していることと合わせて注意が必要です。

いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

                トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円四時間足

       トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円四時間足

中段のドルトルコリラは息の長いドル高トレンドとなっていますが、長期的にはドルトルコリラもトルコリラ円もトルコリラ安トレンドに変化は無く、直近2週間はトルコリラ円での史上最安値をつけた後の調整で横方向への動きとなっていただけと考えた方がよさそうです。

現在は史上最安値25.82とその後の高値27.03に対して61.8%押し26.28の水準(赤のターゲット)にあり、動きとしてはピンクの平行線で示した下降チャンネルの中で、78.6%(61.8%の平方根)押しの水準、そして史上最安値の25.82を再び視野に入れる値動きとなってきたと考えられるでしょう。

今週も上値の重たい水準を想定して、26.00レベルをサポートに、26.70レベルをレジスタンスとする週を考えておきます。

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