トルコリラ円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが「25.90レベルをサポートに、26.80レベルをレジスタンスとする流れ」を見つつ、引き続き下値方向には注意を払いたいとしました。実際のレンジは、安値が26.27レベル、高値が27.03レベルと予想よりだいぶトルコリラ高の推移となり、レンジ自体も最近としては狭いレンジに留まりました。
前週の急激な下落で本邦個人投資家のトルコリラ円ポジションには強制決済の嵐が吹き荒れましたが、嵐が過ぎ去りいったんはトルコリラの安値更新懸念も遠のいたというところでしょうか。新興国通貨に限らずですが、急騰や特に急落の後は何事も無かったかのような状態を挟みます。その後、改めて相場を振らせた材料が継続すると見るのか、いったん遠のいたと見るのかになりますが、長期的なトルコリラ安懸念は消えないものの、短期的にはいったん遠のいたと考えられそうです。
先週は米国のトルコに対する態度軟化が目立ちました。トランプ大統領はフランス大統領との電話会談で「シリアにおける共通の戦略的困難に対し、トルコとの協力を密にすることが必要」と述べ、その後トルコのエルドアン大統領とも電話会談を行い二国関係や地域問題について意見交換をしたとのこと。その後、トランプ大統領はシリアから米軍を早期に撤退させたいとの意向を周囲に示していることからエルドアン大統領との電話会談で何らかの話が出たことは想像が出来ます。ただ、トランプ大統領の考え方に軍は反対の姿勢を示しているため、当面は様子見となりそうです。
これまでは悪材料ばかりのトルコリラ環境でしたが、ここに来て米国側の態度軟化も重なって、先週は底打ち感を補強する週となりました。今週はトルコ関連では注目度の高い経済指標としてCPIの発表が3日にあります。前回に比べやや高めの予想が出ていますが、トルコ中銀の金融政策に影響を与えるほどのものとなるかどうかは結果を見てからということになるでしょう。ただ、コンセンサスから大きく外れなければトルコリラの方向が変わるほどのインパクトも無いものと見ています。
いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)も見てみます。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足
前週の安値がスパイク状になっていて短期的に底をつけた格好です。ポジションンを切らされた方には気の毒ですが、全体的なポジションが軽くなったからこその上昇で、ここでまたポジションが増えると次の下げの懸念も出てきますので難しいものです。
前週安値と先週半ばの安値を結んだサポートラインは、現行水準から近すぎるため強いサポートとは言えませんが、それ以前のレジスタンスは明確に先週半ばで上抜けていますので、今は平行チャンネルで示した上昇トレンドもしくはそれに近い動きをしやすいとは言うことが出来そうです。ただ長期的なトルコリラ安のトレンドが変わったとまでは言えませんので、この上昇は短期的な動きと見ておいた方が良さそうです。今週は26.60レベルをサポートに27.20レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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