ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円は、安値の間の高値(ネックライン)9.10水準をターゲットに「8.85レベルをサポートに9.10レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が8.94レベル、高値が9.10レベルと、ほぼ予想通りの動きとなったと言えます。
先週のランド円は、前週のムーディーズによる格付け維持と見通し引き上げを好感して買いが先行してのスタートを切りました。しかし、テクニカルにもレジスタンスとなっている9.10を抜けられなかったことに加え、28日には予想通りとはいえ南ア中銀が0.25%の政策金利引き下げ6.50%としたことに加え、中銀総裁が中銀の使うモデルによるとランドがやや過大評価されていることと、今後のランド高は限定的だろうとのコメントを出したことで週末に向けての利食いが調整のきっかけとなりました。
ランド円はここに至るまでラマポーザ大統領に対する期待と格付け維持によるランド高トレンド期待が継続してはいたものの、長期的には2月高値を抜けることが出来ず、3月に入ってからは8.80〜9.10のレンジを往復する動きとなっていました。そこに中銀総裁の過大評価コメントでいったん現状にランド高期待が?落した感があります。
今週は南アフリカ関連では目立った材料は無く、月曜はイースターではありませんが祝日となっていることもあって、動きにくい週となりそうです。今週はテクニカルな観点から中期的なランド円の動きを見てみましょう。まず日足チャートから。
ランド円日足
こうして見てみると今年に入ってからは高値圏でのもみあいを続け、さらに3月にはそのもみあいのレンジを10銭ほど切り下げたチャートとなっています。目立ってランドを売る材料は無いものの、白人の持つ土地収用問題は長期的に懸念材料となりますし、ここまでは期待だけで上げてきたランドに対してそろそろ実力を見たいという段階に入っていた可能性があります。
すでに2月で高値をつけたことは確認できますが、サポートは3月安値の8.76レベルとなっているものの、同水準を下抜けるとサポートらしいサポートも無いため、テクニカルには大きな下げが懸念されるチャートです。ただ、ラマポーザ大統領への期待までは無くならないであろうことから現在はこのサポートまでは下抜けないと考えて良いでしょう。
いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)も見てみましょう。
ランド円、ドルランド、ドル円四時間足
ちょうど3月の1か月が4時間足チャートで示されていますが、安値8.76と高値9.10の半値8.93水準がニュートラルな水準(赤の中心線)と考えられ、過去の値動きも同水準を中心とした動きとなっていることがわかります。今週も目立った材料が無い中で、ドル円自体も上下とも見たのがここ1〜2週間の動きと考えると、先週から若干水準を下げてのもみあいと見ることが妥当と思われます。
今週は、レンジの中心線を挟んで8.85レベルをサポートに、9.05レベルをレジスタンスとする週を考えています。
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