ランド円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが、ランド円は「大台9.00レベルをサポートに、前週高値9.25レベルをレジスタンスとする流れ」としました。実際のレンジは、安値が8.91レベル、高値が9.21レベルと予想よりややランド安での推移となりました。
トルコリラ円のコラムでも書きましたが、先週は株式市場の下落がリスクオフの嵐を起こし、ユーロ円やトルコリラ円は4%前後の円高相場となりました。いっぽうランド円は値幅が30銭、率にして3.3%と新興国通貨としては健闘したほうだと言えます。これもズマ大統領の包囲網が着実に狭まり、早期退陣の風が吹いていることが理由と考えられます。
先週は与党ANCにおける全国作業部会を経て、ズマ大統領へ引導を渡す流れをラマポーザ議長を中心として進めてきました。週末から週明けにかけても与党とズマ大統領の間で話し合いがもたれ、今週中にも辞任の要求を出していましたが、ズマ大統領は辞任を拒否したとのニュースが13日の朝方に入ってきています。ズマ大統領としても不信任や解任といった事態は避けたいところでしょうから、いかにこれまでの腐敗政治に対する恩赦を得られるかどうか、結局はそれとの天秤ということで今後も辞任の話は出たり入ったりすると考えられます。
さて、4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
ランド円、ドルランド、ドル円
今週もランド円は新興国通貨の一角として、基本的に株式市場の動きに左右されやすい流れが続きます。そうした意味ではランド円のチャートにのみ注目すると、よほどのことが無ければ上下ともに先週のレンジを抜けだすことは無さそうです。よほどのことというと、下方向は更なる株の急落、上方向はズマ大統領辞任でしょうか。
今週は先週同様のレンジでやや上値の重たい展開を考え、8.90レベルをサポートに、9.20レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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