ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円は「大台9.00レベルをサポートに、最初のターゲットをやや上回る9.40レベルをレジスタンスとする週」としました。実際のレンジは、安値が8.97レベル、高値が9.20レベルと、高値圏での膠着となり狭い値幅で動意薄の年初相場となりました。
先週は、ズマ大統領の退陣を巡って1月10日に与党ANCで全国執行委員会が開かれることが決まりました。それ以外には目立ったニュースも無く、静かな第1週となりました。
この全国執行委員会はラマポーザ副大統領が議長就任後初の会議ですが、ズマ大統領退陣となればこれまでのラマポーザ副大統領が議長になった際のランド高旋風が今一度吹き荒れることになります。しかし、いまだ与党内にも多くの支持者がいる大統領がすんなりと辞めると言うとも思えません。辞めないということになると、逆にランド売りの調整の週となる可能性が出てきます。
明日の会議の蓋を開けるまでは、先週からの様子見が続くと思われますが、退陣はしない場合でも、ますますズマ大統領は追いつめられている様子で、ANC内の反ズマ派はなんとか辞任させようという動きを続けていますし、全国執行委員会では昨年裁判所から支持のあったズマ大統領弾劾の準備も並行して進めることとなっています。
今週では無さそうですが、ズマ大統領は任期を残して辞任する流れが今度どこかで出て来る可能性はかなり高いため、2月の予算とムーディーズの格付け引き下げを回避できれば、長期的なランド高の動きは今後も継続しやすいと言えるでしょう。
今週は南アの経済指標の発表もありますが、重要度的にはANC全国執行委員会のみと言えますので、チャートを見てみます。昨年末に週足チャートを見ましたが、今回は更に長く月足チャートです。2006年の高値19.66を含むように表示しました。ランド円の史上最高値は1990年につけた59円台ですがさすがに水準が違いすぎるため、ここ10年程度での最高値をベースに見てみます。
ZAR円 月足
すると、19.66と6.42のフィボナッチ・リトレースメントのうち、もっとも小さな23.6%戻しが9.55となっています。テクニカルに長期的なターゲットという場合に今後示されるかもしれないターゲットとして頭の片隅にでも入れておきましょう。
それでは、いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。
ランド円、ドルランド、ドル円四時間足
中段のドルランドがあまり大きく動いていない中、レンジこそ狭いものの下段のドル円の上値の重たさも、いまひとつランド円が伸びきらない要因となっています。
今週は、ズマ大統領は辞任せず時間をかけて追い詰められていくという流れがメインシナリオになると思いますので、その場合は9円の大台を割り込み一時的に下押しが入ったところで改めて買いが出て来るという動きが考えられます。サポートとしては8.85レベル、レジスタンスは9.25レベルを考えておきますが、サブシナリオでズマ大統領が退陣ということになれば、大きくランド高に進む可能性があるという認識だけは持っておきましょう。
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