ユーロ クリスマス、年末相場で動意薄(12月第四週)

先週のユーロドルは、週初から底堅い動きを続けました。大きな材料としてはブレグジットとドイツの連立協議のそれぞれが前進していることによる

ユーロ クリスマス、年末相場で動意薄(12月第四週)

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは、週初から底堅い動きを続けました。大きな材料としてはブレグジットとドイツの連立協議のそれぞれが前進していることによるユーロ買いの動きと言えますが、ドルが上昇する中でのユーロ買いということもあって、欧州国債の利回り上昇まで材料とされていました。逆に、株価が上値の重たい中でユーロ円の買いが目立ったことから、無理に材料探しをしたようにも思えます。

ただ、ユーロドルもユーロ円も水曜から木曜にかけて上値を抑えられる動きとなり、週末金曜にはクリスマス前でマーケットが薄い中、カタルーニャ州の州議会選挙で独立賛成派が過半数を取ったことによるユーロ売りが見られました。ただ、カタルーニャではこれまでも独立の住民投票を行うなど独立機運が高い州ですが、スペインのような国でひとつの州が独立するということは通常は考え難いところです。

仮に独立ということにでもなれば、英国のスコットランド問題など他の地域への影響が大きく、スペイン政府のみならずEUとしても統合推進に反するという姿勢です。今後もカタルーニャ問題はインターバルをもって惣社の材料となることはあるでしょうが、現状ではユーロに与える影響は限定的であるとの考え方は住民投票の時から変わっていません。

今週の週間見通しと予想レンジ

*日足チャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

現状のユーロドルは9月高値と11月高値を結んだレジスタンスと11月安値と12月安値を結んだサポートラインで挟まれたレンジの中でのもみあい段階にあると考えられます。今週は両線が1.1775から上昇と1.1915から下降という状況にあり、それぞれがレンジの限界点となりやすい状態です。今週は1.1780レベルをサポートに、1.1910レベルをレジスタンスと一段と狭い値幅でのもみあいの動きになると見ておきます。

今週のコラム

21日のコラムで簡単に触れましたがユーロ円がドル円とユーロドルの上昇に支えられ、2015年10月以来の高値をつけました。今週はユーロ円も動きは鈍くなってくると思いますが、現在の状況を日足チャートで確認しておきます。

              ユーロ円日足

              ユーロ円日足

サポートは8月安値、11月安値、12月安値を通るラインで間違いないところですが、レジスタンスは短期的には9月高値、10月高値、12月高値を通るラインと考えて良さそうです。ただ、サポートまでは距離があるため、12月安値と12月高値の半値押しにあたる133.47をサポートと考えるとよさそうです。

今週というよりは年末年始を含めてとなりますが、133.50レベルをサポートに135.00レベルをレジスタンスとする流れになりそうです。

ユーロの週報は今年8月からの執筆でしたが、FX羅針盤の他のコラムとも合わせ来年もよろしくお願いいたします。よい年をお迎えください。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。

12月25日(月)
**:** 東京を除いた主要市場は休場

12月26日(火)
**:** 東京、NYを除いた主要市場は休場

12月27日(水)
 特になし

12月28日(木)
18:00 ECB月報

12月29日(金)
**:** 英国取引所短縮取引
22:00 ドイツ12月CPI速報値

前週のユーロレンジ

       始値  高値  安値  終値

ユーロドル 1.1749 1.1902 1.1743 1.1863
ユーロ円  132.38 134.88 132.37 134.38

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

前週のユーロ

12月18日(月)
 先週大幅安となったポンドが東京市場から買い戻され、NY市場前場にはほぼ行って来いの水準まで回復する動きに添ったユーロ買いとなりました。一時1.1834レベルの高値をつけましたが、NY後場以降はポンド売りも出て1.17台後半へと押してのクローズとなりました。

12月19日(火)
 東京市場からじり高の展開が続き、海外市場では米国債同様に欧州の国債利回りも上昇したことからユーロ買いが強まり、ユーロは対ドル、対他通貨でも続伸する動きとなりました。ユーロドルは前日高値を上抜け、1.1849レベルの高値を付けそのまま高値圏での引け。ユーロ円はドル円の上昇も手伝って133.92ベルへと東京朝方の安値から1円30銭以上も上伸後に、やや押しての引けとなりました。

12月20日(水)
 ユーロドルはNY市場までは小動きを続けていましたが、ドル円の円安の動きを受けユーロ円が年初来来高値を更新、買いに勢いがつき高値134.78レベとは2015年10月以来の高値となりました。この動きに引っ張られてユーロドルも上昇、一時1.1902レベルと1日以来の高値を回復し、ユーロドルも強い地合いでの引けとなりました。

12月21日(木)
 ユーロドルは多少の上下は挟んだものの方向感の無い展開が続き、終日1.18台後半でのもみあいを続けました。NY引け直後にスペインカタルーニャ州の議会選挙で独立賛成派が過半数を占めることが確実となり、ユーロ売りの動きが見られました。

12月22日(金)
 カタルーニャ州選挙で独立派が勝利したことを受け朝方に下落、一時NYの引けから安値1.1817レベルと60pipsほどの下げとなりましたが、その後はすぐに落ち着きを取り戻しました。東京仲値以降は1.18台半ばで方向感を失い、上値は重たいものの積極的に売る動きは見られず、前日終値水準へと戻しての引けとなりました。

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