トルコリラ 本日も史上最安値更新
欧米との政治的関係悪化による資金流出と、エルドアン大統領の国内低金利誘導圧力に、昨日市場最安値をつけたトルコリラは、トルコ中銀が利上げ以外のあらゆる手段を使ってリラ防衛を試みているにもかかわらず本日も続落。一時対ドルで3.9826、対円で28.13とそれぞれ市場最安値を更新しています。
国内でも一部の輸出業者にはリラ安を歓迎する動きがあるものの、外貨で巨額の対外債務を抱えるトルコにはリラ安はクリティカルな問題です。
トルコ中銀は足元の資金供給手段を後期流動性ウインドウに絞ることにより事実上0.25%金利を上昇させるとともに、外貨の準備額を減らし市場に外貨を供給し同時に同額のリラ資金を市場から吸い上げたり、外貨ローンを優遇金利で貸し付けたりするなどして、トルコリラの押し上げを図りましたが、効果は限定的。
市場はトルコ中銀が12月14日の次回会合を待たずに政策金利を引き上げる他にリラ下落を止める手段はないと考えており、臨時会合を待つ催促相場の様相を呈しつつあります。
一方でエルドアン大統領は、高金利こそがインフレをコントロールする手段ではなくインフレの原因となっているとの主張を繰り返しており、中銀の低金利政策は誤りだと非難しています。強権的政治体制を強めているエルドアン大統領の圧力の下、トルコ中銀が独立性をどこまで維持できるのかに注目が集まります。
16:00に発表された11月のトルコの消費者信頼感指数は2016年12月以降で最低値に下落、トルコ国債の10年物利回りは過去最高の13.22%に上昇しています。
ドルトルコリラは17:45現在3.96レベルまで値を戻していますが、本格的な反騰のためには、エルドアン大統領の対外、対内姿勢の変化、トルコ中銀の思い切った舵取りが必要で、しばらくは目を離せない状況です。
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