<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場は、ドル安・円高。値幅そのものは決して広くなかったが、「早朝高・大引け安」の展開で、円の強さが目についた。
ドル/円は112.40-45円で寄り付いたのち、しばらくは一進一退。112.35-50円程度の狭いレンジ内で方向性の乏しい値動きに終始している。
しかし、レンジの下限を割り込むと、そのまま緩やかな右肩上がりの値動きで、夕方には日中安値である112.05-10円まで値を下げた。16時時点でもレートはほぼ変わらず、ドルの安値圏である112.10-15円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、イエレンFRB議長のよる発言。ただ、その内容は「インフレ期待が下振れしている一部兆候」「利上げが遅くなり過ぎれば労働市場の過熱も」−−といった内容で、強弱入り交じったものだった。
それとは別に、有力欧米紙であるウォールストリート・ジャーナルが「特別検察官はクシュナー氏の海外指導者との接触を捜査」と報じ、一部で話題に。
<< 欧米市場の見通し >>
東京時間終盤にかけてのドル安・円高は、「日経平均株価が上げ幅縮小させた」ことや、「米長期金利の低下」といった材料を無視出来ないものの、背景には「ポジションが依然として円ショート」「米感謝祭前」という2つの大きな要因がありそうだ。引き続きリスクという点では、下方向にバイアスがかかりそう。
テクニカルには、今回も112円前後というサポートレベルでは下げ止まっているが、水準的にはさほど遠くない移動平均の200日線が位置する111.70-75円と合わせて下回るようだと、ドルの下げが加速する危険性もないではない。
テクニカルに見た場合、昨日もレポートしたチャートの形状、「目先高値114.73円を中心としたシンメトリー(左右対称形)をたどる可能性」が引き続き意識されている。この見方が正しいならば、今後2-3週間は111.50-113.00円といったレンジ内での一進一退をたどる可能性も否定出来ない。
ただし、一目均衡表においては、これまで日足の下方に位置していた先行帯の雲の上限がジリジリと上昇し、本日は112円レベル、来週にかけては113円台までと水準をかなり切り上げてくる。一連の過程のなかで、日足が雲の中に埋没、あるいは上限のみならず下限も割り込む展開があるかもしれない。
一方、材料的に見た場合、10月の耐久財受注や11月のミシガン大学消費者信頼感指数確報といった米経済指標の発表が予定されているほか、10月31日-11月1日に実施されたFOMC議事録公開も実施される見込みだ。それらは当然要注意。とくに後者は、12月の米利上げはほぼ確実視されるなか、市場の関心はすでに「来年以降の利上げ幅や回数、スケジュールなど」となっている。タカ派的な内容を示しているのか否か、要注目だろう。
また、継続案件である「米税制改革の行方」「ロシア・ゲートをめぐる問題の進展状況」などにも引き続き注意を払っておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.60-112.70円。ドル高・円安方向は、まず昨日高値の112.70-75円が最初の抵抗。抜けた場合は112.90円レベルに位置する一目均衡表の転換線や113円前半などが次の抵抗となりそうだ。
対するドル安・円高方向は、直近安値である111.89円を含めた112円前後の攻防にまずは注目。フィボナッチや一目均衡表などで見たサポートが集中しているだけに、このあとも引き続き強いサポートとして寄与する可能性もある。下回れば111.50-60円がターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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