トルコリラ円ショートコメント
まず先週の振り返りですが、トルコリラ円は「大台30.00レベルをサポートに、31.00をレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは安値が29.61レベル、高値が30.93レベルと再び30円の大台を割り込みじり安の展開を辿りました。
先週のトルコリラの注目材料は26日の政策金利発表でしたが、こちらは予想通り全ての指標金利が現状維持となりました。タイミング的には金利発表を見てトルコリラが下げたようにも見えますが、これは同日のECB理事会後にユーロが急落したことで、ユーロ安に引っ張られてのトルコリラ安と言えます。
更にタイミングが悪かったことに、このユーロに引っ張られた動きの中でドルトルコリラが10月9日のドル高値を上抜けたことで、トルコリラ安が加速する結果に繋がりました。テクニカルには、ここよりもドル高・トルコリラ安の水準は今年1月の史上最高値(3.9420)しか無いため、警戒感も高まりつつあります。
今週の材料は、経済指標としては貿易収支(31日)とCPI(3日)がありますが、米国とトルコの相互ビザ発給停止が解決に向かうまではどのような材料も印象に薄く、トルコリラを買いにくい地合いが継続すると考えざるを得ないでしょう。本日までのところ解決に向かう様子は無く、今週も戻りが弱い展開となりそうです。
4時間足チャート(上かトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足
中段のドルトルコリラの上昇が止まらないとトルコリラ円も上昇に転じるのは困難なわけですが、トルコリラだけでなく新興国通貨ではランドも弱い地合いとなっていますし、株高の環境下では高金利通貨の魅力も弱まります。2週前のもみあい下限と重なる30.40レベルが既に上値が重たい水準と言えます。いっぽうで下値はビザ発給停止直後の安値29.37をターゲットとしやすい流れとなっていて、決して遠い距離ではありません。
今週も引き続き上値が重たい展開を考え、29.40レベルをサポートに、30.40レベルをレジスタンスとする流れとします。
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