トルコリラ円ショートコメント
まず先週の振り返りですが、トルコは米国とのビザ発給相互停止というニュースの影響から全面安での週明けとなりました。前回のレポートは既に火曜であったことから、火曜以降のレンジとして「29.90レベルをサポートに、30.90レベルをレジスタンス」とする流れを見ていました。実際のレンジは安値が30.17レベル、高値が30.90レベルと、大台を維持し、比較的底堅い動きとなっていました。
ちなみに9日月曜の安値は29.37レベルですが、早朝市場の場外乱闘ではもっと下のレートがついていても不思議ではありません。週末のG20イベントや最近では北朝鮮の動きから週初にギャップが出来ることも多いのですが、今回のトルコリラ円は久しぶりの大きなギャップダウン相場となりました。
さて、トルコ国内の動きですが、依然として米国とのビザ発給は停止したままですが、トルコ副首相は解決の見通しについて言及しています。いまのところ続報は無いので、不確定な情報となりますが、副首相は米国政府職員の保護をコミットするとも言っていることから、トルコ側の譲歩があれば解決への糸口が見つかりそうです。
しかし、もうひとつのトルコ国内の問題としてクルド人問題がありますが、先日のイラクのクルド人自治区における住民投票以降、イラク政府と自治政府との間で緊張が高まっていたところ、13日にイラク政府がクルド人自治区に隣接する油田に軍隊を派遣していて、自治区政府は戦闘の可能性に言及しています。
いまのところ隣国トルコへのクルド人問題の波及は無いものの、これまでにも何度も問題となってきたテーマであるだけに、当面はビザ問題とともに注視すべきであると言えるでしょう。また今週はトルコ7月失業率の発表が予定されていますが、前回の10.2%から10.4%への悪化が予想されています。悪化がそれ以上の数字となった場合もトルコ売りに繋がりやすく、引き続き材料はトルコリラ安に向かいやすいと言えます。
次に、4時間足チャート(上からトルコ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足
テクニカルにも大きなギャップダウンのあとそのギャップを埋められない状態となっていて、ギャップを埋めきらないままに再び下げるリスクがあるチャートです。つまり短期的には30円の大台以下は先週初の早朝市場における行き過ぎとしても、31円台では売りたい向きが出てきそうな流れです。
今週は、先週の動きから考えるとやや底堅さは出て来るものの上がったところでは売りも出て来ると見て、大台30.00レベルをサポートに、31.00レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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