ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円はじり安の展開を考え、「大台8.00レベルをサポートに、8.25レベルをレジスタンス」とする週を見ていました。実際のレンジは、安値が8.11レベル、高値が8.44レベルと、予想よりもランド高に振れる一週間となりました。
先週は、ドル円でもドル安の動きとなっていましたが、それに比べると南アフリカランドにおけるドル安の動きが大きかったと言えます。材料はいくつかありますが、週初に発表された経済指標が強めであったことから直近のところで悪材料が続いていたランドに買い戻しが入ったこと、また週末には南アフリカの最高裁がズマ大統領の汚職に関連して再審を命じたことです。
ズマ大統領の疑惑は、KPMGとグプタ家(南アの財閥)との癒着にズマ大統領とその周辺が絡んでいた可能性があるとのことに対して、当然本人は否定するとしても中立な立場の裁判所が差し戻して再審を命じたことで、やはり何か汚職がという流れですが、一般的な国ではこうした政治家の汚職は通貨売りに繋がりやすいところ、南アフリカの場合は先の不信任投票時に見られたように、ズマ大統領の辞任に繋がることは好材料と考える流れができています。
実際に再審のニュースが出たのは週末金曜でしたが、そこに至るまで裁判所の判断に対して、思惑のランド買いが出ていたと考えられます。ドルランドはそれまでの上昇トレンド(ランド安)に対して週初月曜に切り返す動きとなっていて、この動きがランド円にも波及し、8.11を安値に大きく切り返すうごきとなりました。
まだ再審には時間がかかりますし、再審で汚職が認められるかどうかもまだわかりませんが、9月8日以降のドル高・ランド安の流れに変化が生じたことはチャート上も確認できます。今週は、18日にいくつかの経済指標が発表されますが、経済指標以上に再審に向けての期待(南アフリカの改革)とテクニカルな要因が大きく影響するものと考えられます。
4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
ランド円、ドルランド、ドル円四時間足
8月下旬以降のチャートを示しましたので、ドルランドもランド円も9月以降のランド安の流れに先週で底打ちし、現在ではランド高の流れに転じてきていることがわかります。
ドルランドは既に9月安値12.7271と先週高値13.8613の半値押し13.2942は到達し、次のターゲットとして61.8%押しの13.1604をターゲットにする動きと言えます。また、ランド円も9月22日高値8.50、そして9月高値8.56をターゲットにする動きです。一点気になる点としては9月高値と22日高値を結んだレジスタンスラインが8.4円台前半を下降中で、先週末の高値を同水準で止められたことです。
ここで反落するには、あまりにも近いのでさすがに週初が高値ということにはならないと思いますが、ランド材料ではなくドル円で大きく下げるような動きがあるとその可能性もあります。週初はランド以上にドル円の動きに注意が必要そうです。
ただ、ズマ大統領の汚職問題再審のニュースはまだ日が浅く、とりあえず今週はランド買いの材料として継続しやすいものです。流れも変化していることから基本は押し目買いを考え、8.30レベルをサポートに、9月高値超えを想定して8.55レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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