ランド円レポート月曜版(2017/10/2)

先週の南アフリカ関連の材料としては、KPMG、マッキンゼーによる富豪グプタ家と政界とのスキャンダルが尾を引いてのスタートとなりました。

ランド円レポート月曜版(2017/10/2)

ランド円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円はじり安の展開を考え「8.25レベルをサポートに、8.50レベルをレジスタンス」と下値に余裕のある週を見ていました。実際のレンジは、安値が8.23レベル、高値が8.49レベルと、予想通りのじり安の一週間となりました。

先週の南アフリカ関連の材料としては、KPMG、マッキンゼーによる富豪グプタ家と政界とのスキャンダルが尾を引いてのスタートとなりました。また週初からユーロを中心にドル高の動きとなったため、ドル南アランドでもドル買いの動きとなり、週初月曜からここ数週間のランド円安値をトライする勢いのスタートとなりました。

その後も上値の重たい流れの中で、27日にこれまでのランド円のサポートを下抜けましたが、きっかけはドルランドでドルが上昇した動きです。ここで南アフリカ関連のニュースがあったわけでは無く、米国の利上げ思惑や税制改革案に対する期待で全般的なドル買いの動きの中で、ドルランドはこれまでのドル高値(ランド安値)を上抜けする動きが見られたというテクニカルな要因が大きかったと思います。

ドルランドの日足チャートをご覧ください。

              ドルランド日足

              ドルランド日足

9月最終週のドル買いの動きで7月高値(ピンクの水平線)を上抜け、5月高値と並び、4月高値(13.957、ピンクの水平線)を視野に入れる展開となっていることがわかります。ただ、ランドはその前にも年初来高値(1月、13.980)等、それまでドル安・ランド高の流れとなっていたため、レジスタンスはいくらでもあります。今回は直近のドルランドでのレジスタンスは抜けたものの、これがランド安への大きなきっかけとなるというほどのものでもありません。

今週の南アフリカは政治絡みの話がいったん落ち着き、経済指標に目立った発表はありません。米国の雇用統計発表も金曜ですし、米国の利上げとバランスシート縮小による長期金利上昇思惑も既定路線であると考えると、引き続き対ドルでのランド安も継続しやすいと言えそうです。いっぽうドル円も底堅い動きとなっていて、それぞれのスピード差こそあるものの全般的なドル高の流れに変化は無く、今週はもみあいとなりやすい中、ランド円は戻り売りが出やすいと言えそうです。

また、ひとつ気を付けるべき点として、先週の金融庁によるFXレバレッジ引き下げ案があります。同案については反対の立場から先週のFX羅針盤でも2回に渡って私の考えを書かせていただきましたが、日本の投資家の中でもランドやトルコリラといった高金利通貨取引を行っている人にとってレバレッジ引き下げは悪材料としか言えません。これまでにも荒れ相場と言えばだいたい下げる動きでしたから、動きが少ない内にポジションを減らしておこうと考える人も少なからずいるはずです。この話はまだ来年以降の話とは言うものの、話題として出て来る度に高金利通貨にとっては売り材料と‘なりやすいという見方で良いと思います。

それでは、4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。

       ランド円、ドルランド、ドル円(四時間足)

       ランド円、ドルランド、ドル円(四時間足)

ランド円の年初来安値は4月につけた7.90ですが、それ以降では8月安値の8.07が目立つ安値となっていますので、それが入るようにやや長めに表示してあります。

こうして見ると8月安値8.07と9月高値8.56との61.8%押しの8.24レベルで先週の安値はいったん止められていることがわかります。しかし、そこまでの1か月以上もの間止められていた半値の水準(ランド円のレポートでも何度も出てきた8.30ライン)を明確に下抜けてきたことは、上値を重たくする大きな要素であるとテクニカルには考えます。

今週も61.8%押しの水準をトライして抜けるかどうかは動き次第としか言えないのですが、先のドルランドでもドル買い方向に動きやすいこともありますので、ランド円も直近の高値を結んだ下降チャンネル(ピンクの平行線)の中での推移を続けやすく、次のターゲットとして78.6%(61.8%の平方根)押しとなる8.16を視野に入れていると考えられます。

よって今週も上値の重たい展開を考え、8.15レベルをサポートに、8.40ベルをレジスタンスとする一週間を見ておきます。

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