ランド円ショートコメント
まず先週の振り返りですが、ランド円は金利引き下げのコンセンサスから上値の重たい動きを考え「8.20レベルをサポートに、8.50レベルをレジスタンス」とする流れを見ていました。実際のレンジは安値が8.31レベル、高値が8.50レベルと、予想よりも狭い値幅でのもみあいとなりました。
また21日に発表された政策金利は6.75%と現状維持、0.25%の引き下げで6.50%を予想していた市場参加者のコンセンサスとは異なる結果となり、週後半のランド円の底堅さはその影響もあったと言えそうです。ただ、21日にはFOMCの結果発表もあり、それによる同買いの動きがドルランドよりも主要通貨のドル円で大きかったというほうが、状況を正確に示しているかもしれません。いずれにしても、南ア中銀が政策金利を引き下げなかったことで、引き続き今後の利下げ思惑は続くものと考えられます。
先週はもうひとつ南アで妙な話が出てきました。
20日のFT(日経)の記事から引用すると「国際会計事務所KPMGとコンサルティング会社マッキンゼーが、インド系富豪グプタ家に関連した政治スキャンダルの影響で一段の打撃を受けている」とあり「グプタ家は、ズマ大統領とのつながりを使って国営企業の契約を不正受注した」と続きます。
KPMGは南アフリカ国内で幹部が総退陣、ビジネスも大きく失う結果となっていますが、ズマ大統領とグプタ家は関与を否定しているもののKPMGやマッキンゼーから今後何らかの資料が出てくる懸念もあり、いったんは不信任を乗り越えたズマ大統領にとって、新たな火種が登場、そして南アフリカの政治問題へと発展するリスクがあると言えます。
こうしたことを考えると、ランンド円は最近のレンジもみあいを下抜けする可能性を考えなくてはなりません。4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
ランド円、ドルランド、ドル円四時間足
過去4週間は8.30から8.55のもみあいを継続し、直近2週間は上値も重たくなっているというチャートです。今週初が比較的高い水準にあり、過去4週間のレンジを下抜けることは難しそうですが、南アフリカの汚職の進展具合ではランド売りとなるリスクを考えたいところ。
今週はじり安の展開を考え、8.25レベルをサポートに、8.50レベルをレジスタンスと、下値に余裕のあり週を考えておきます。
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