北朝鮮情勢気掛かりだが、ドル高基調は継続

週明け2日の東京市場は、小幅にドル高が進行。一時113円台回復をうかがう様相をみせる局面も観測されていた。

北朝鮮情勢気掛かりだが、ドル高基調は継続

<< 東京市場の動き >>

週明け2日の東京市場は、小幅にドル高が進行。一時113円台回復をうかがう様相をみせる局面も観測されていた。

ここ最近は「荒れる月曜日早朝」となることが少なくなかったものの、本日はオセアニアの豪シドニー市場が休場もあり、静かなオープン。ドル/円は前週末のNYクローズに近い112.55-60円で寄り付いている。
そののち、112.30円台の本日安値を記録するも底堅く、スグに反発すると一気に112.90円台まで逆行高となった。本日はシドニーだけでなく中国や香港市場の休場もあってか動意が乏しく、ドルは日中高値をつけたあと112円後半での揉み合いに。14時半時点では日中のドル最高値圏である112.90-95円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料として話題となっていたもののひとつは北朝鮮情勢。週末から本日にかけて、「米国務長官、北朝鮮との接触認める」など様々な関連ニュースが報じられるなか、日本の政局についても同様に、たとえば日経新聞からは「民進分裂、左派が新党。枝野氏、今夕発表へ」との報道が観測されていた。
また、そのほかでは、「スペイン・カタルーニャ州住民投票で独立賛成が90%以上」、日銀短観が発表され、市場の関心がもっとも高い「大企業製造業DIはプラス22」になったと報じられたものの、市場の反応はいまひとつ。いずれも、相場への影響は限定的となっている。

<< 欧米市場の見通し >>

週末から北朝鮮情勢に関しては、米朝間のやりあいが、ともかく激しい。トランプ米大統領による「北朝鮮との交渉は時間の無駄」との発言などは色々と考えさせるものがあり、個人的にはとても気になるのだが、幸か不幸か本日の東京時間をみるかぎり、ほぼ材料視されている感はない。とは言え、北朝鮮関連のニュースには引き続き注意が必要で、発言などが相場の乱高下要因となる可能性もある。
ただ、北朝鮮情勢を除くと、発表される米経済指標や要人発言、米金利動向などに一喜一憂しつつもドルは底堅い値動きをたどりそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル高基調そのものは依然として変化はない。113円台にさほど大きな抵抗が見当たらないこともあり、先週高値の113.26円を超えれば、一気に値が飛ぶ危険性も孕んでいる。
しかし、目先高値からの押しが依然として浅いことを気にする向きも少なくなく、さらなるドル高の調整を見込む声もあるようだ。ただ、その場合でも111円台などにテクニカルサポートが多いことから、大崩れすることはないとの見方でほぼ一致している。

一方、材料面を見た場合、9月の製造業PMI確報や9月のISM製造業景況指数といった重要な米経済指標が発表されるほか、カプラン・ダラス連銀総裁による講演も実施される見込みで、それらにまずは要注意。
また、どこまで新味があるのか不明だが、海外勢が好きな日本の政治ネタになりそうなものとして、前述したように日経新聞が報じた「民進分裂、左派が新党。枝野氏、今夕発表へ」などには一応の注意を払っておきたい。

以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.40-113.60円。ドル高・円安方向は、先週記録したドルの戻り高値113.26円が最初の抵抗で、抜ければ薄っすらとだが114円台回復もみえてくる。
対するドル安・円高方向は、東京安値の112.30-35円や112.20円レベルの攻防にまずは注視。割り込めば当然111円台が視野に入るものの、移動平均や一目均衡表をはじめとするテクニカルポイントが多いこともあり、かなり底堅いイメージだ。(了)

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