ドル円今週の週間見通し(週報10月第一週抜粋)

先週は、週前半はドイツ連邦議会選挙の結果を受けたユーロ売りの動きがドル円でもドル買いの動きへとつながり、

ドル円今週の週間見通し(週報10月第一週抜粋)

今週の週間見通し

先週は、週前半はドイツ連邦議会選挙の結果を受けたユーロ売りの動きがドル円でもドル買いの動きへとつながり、その後は半期末前のドル売り実需に上値を抑えられての一週間でしたが、週間レンジが示す通りで111円台は買い、113円台は売りという流れに現状は入ってきたと考えられます。

これまでは、北朝鮮問題も含めリスクオフの懸念が頭から離れず、どうしても積極的に円安を見込み難かったのですが、解散総選挙に向けての景気テコ入れ期待や米国の生成改革案部分については底上げ部分と考えざるを得ず、今週からはもっとニュートラルな視点で分析をしないといけないと反省しきりです。

ただ、今週の材料では無いかもしれませんが、当日よりも多少前の日も注意が必要という点では、10月10日の北朝鮮軍の党記念日にあたる10日に向けてミサイル発射の警戒は必要であると思います。北朝鮮のリスクオフ要因はすっかり長期材料となってきた感はありますが、前にも書いた通り時間は北朝鮮に見方こそすれ、米国にとっても周辺国にとっても悪材料としたなり得ないことは常に意識しておくべきでしょう。

さて、今週ですが最大の変動要因は金曜の米国雇用統計でしょうか。ただ、12月利上げは既定路線ですし、米国の雇用情勢は既に十分に良いことから、多少の単月の数字のブレ程度では一時的な動きにしかならないとは思います。また、今週は国慶節で中国が1週間(2〜6日)休みとなりますので、アジア市場の時間帯は取引が細る傾向があります。

そうした中で、今週も細かな材料は日々ありますが、方向感が出ることに繋がるようなものも無く、先週のレンジ内でのもみあいを継続しやすいというのがニュートラルな見方かと思います。

次にテクニカルな観点からも見てみましょう。日足チャートをご覧ください。

まず、今回の年初来安値からの動きを振り返ると、安値を付けた後のネックライン(ピンクの点線)上抜け(ピンクの矢印)が、先週高値までの転換点であったと考えられます。そのあとも順調に上昇し、均衡表の雲を上抜け、国内のチャートを見ている人達はこのあたりで上昇転換を確信した可能性が高いと言えます。

そして、その後も上昇の流れは続き先週は113.26レベルの高値を見ることとなりましたが、テクニカルには7月高値と9月安値の78.6%(61.8%の平方根)戻しにあたる112.96(赤のライン、以下同)、そして昨年12月高値と9月安値の半値戻し112.99(緑のライン、以下同)も同じ位置にあったため、113円前後というのはいったん調整を迎えやすい水準でした。

しかし、これまでのところ先週高値からは調整の押しは入っているものの、今週も朝から底堅い動きでスタートしていて、可能性は低いものの7月高値の114.50をも意識しておく必要が出てきています。また、この水準には昨年12月高値と9月安値の61.8%戻し114.33もあり、最大限のドル高のターゲットとして114円台前半は動き次第ではあり得るということになります。

ただ、材料的な部分と合わせて考えると仮に先週高値を抜けたとしても113円台半ばを超えてまで積極的に買っていくような材料も見当たらず、上値の限界点としては113円台半ばから後半があげられるでしょう。いっぽう下値については、先週初の安値111.47を下回るほどの材料は、北朝鮮リスク以外は見当たらず、引き続き111円台後半では買いも出て来るといった流れが想定されます。

今週は、調整の水準をやや上にシフトさせ111.75レベルをサポートに、113.75レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

ドル円(日足)チャート

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。
**注:8月からローソク足陰陽を黒白に変更、自動トレンドラインを削除し表示を簡潔にしました。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2017年FOMCメンバー(ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、ミネアポリス、ダラス)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。

10月2日(月)
**:** シドニー、香港市場休場
**:** 中国市場休場(今週)
08:50 日銀短観
16:50 フランス9月製造業PMI確報値
16:55 ドイツ9月製造業PMI確報値
17:00 ユーロ圏9月製造業PMI確報値
17:30 英国9月製造業PMI
18:00 ユーロ圏8月失業率
22:45 米国9月MarkIt製造業PMI確報値
23:00 米国9月ISM製造業景況指数
23:00 米国8月建設支出
27:00 ダラス連銀総裁講演

10月3日(火)
09:30 豪州8月住宅建設許可件数
12:30 豪中銀政策金利発表
16:00 トルコ9月CPI
17:30 英国9月建設業PMI
18:00 ユーロ圏8月PPI
21:30 パウエルFRB理事発言

10月4日(水)
16:50 フランス9月サービス業PMI確報値
16:55 ドイツ9月サービス業PMI確報値
17:00 ユーロ圏9月サービス業PMI確報値
17:30 英国9月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏8月小売売上高
21:15 米国9月ADP全国雇用者数
22:45 米国9月MarkItサービス業PMI確報値
23:00 米国9月ISM非製造業景況指数
23:30 米国週間原油在庫
24:45 カナダ中銀総裁講演
28:15 イエレンFRB議長講演

10月5日(木)
**:** 香港市場休場
09:30 豪州8月貿易収支
17:30 プラートECB理事発言
20:30 ECB理事会(9月7日)議事要旨公表
20:30 米国9月チャレンジャ人員削減予定数
21:15 クーレECB理事発言
21:30 米国8月貿易収支
21:30 米国新規失業保険申請件数
22:10 パウエルFRB理事講演
22:15(サンフランシスコ連銀総裁講演)
23:00 フィラデルフィア連銀総裁講演
23:00 米国8月製造業受注指数
29:30 (カンザスシティ連銀総裁講演)

10月6日(金)
15:00 ドイツ8月製造業受注
15:45 フランス8月貿易収支
21:30 米国9月雇用統計
22:15 (アトランタ連銀総裁講演)
22:30 オーストリア、フランス中銀総裁講演
23:00 米国8月卸売在庫
25:15 NY総裁講演
25:45 ダラス連銀総裁講演
26:00 (セントルイス連銀総裁講演)

10月7日(土)
 24:45 (ボストン連銀総裁講演)

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