ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円は「8.20レベルをサポートに、8.45レベルをレジスタンス」とする週としました。実際のレンジは、安値が8.25レベル、高値が8.56レベルと、予想よりも若干ランド高の一週間となりました。
先週のランド円は、南アフリカ材料としては31日に発表された貿易収支と、PPI程度でどちらもコンセンサスに近い数字ということもあり、特に材料視はされませんでした。PPIのほうがやや注目されていたとは思いますが、前年比3.6%と予想(3.5%)よりはわずかに高かったものの前回の4.0%よりは低く、インフレは抑えられているといったところでした。
週を通してみると木曜まではランドの動きはほとんど見られず、ドル円の動きがそのままランド円の動きとなっていました。週初は下げ8.25の安値を見た後、じりじりと水準を切り上げましたが、ドル円との違いは金曜NY市場です。NY市場に入り発表された米国雇用統計が弱かったことから最初はドル円もドルランドもドル売りで反応しましたが、その後の数字が強くドル円は日中高値を更新するなかでもドルランドはドル買いの勢いは弱く、再びドル円に追随しての週末クローズとなったため、ドル円での円安に反応し8.56の高値を付けたまま高値引けとなっています。
また週明けのリスクオフによる円買いには反応したものの、ドル円や対主要通貨でのクロス円ほど円高には動かず、午前6時以降は8.40の安値となっています。早朝の場外乱闘ではもう少し低い円高の動きもあったであろうと予想されますが、新興国通貨の場合もともと流動性が低いこともあり、どのようなレートがついたのかは定かではありません。話はそれますが、週末をはさんだオーダーを置くときも我々個人投資家はあくまでも、週明けの市場で取引できるのは午前6時からですから、ここでも6時以降の値動きだけを見ることとします。
さて、今週ですが南アフリカ関連では5日に4〜6月期GDPの発表があります。予想は前年比で+0.5%と前回の+1.0%よりも低い予想となっていますが、現在の地合いを考えると予想よりも強い数字が出る場合には素直に買いが入り、弱い数字が出た場合にもやはり押し目買いが出やすいのではないかと考えています。
さて、今週はドル円の週報(カカクコムのFXサイト)にも書いた通り、ドル円の動きが気になる週です。材料的に米国政治の停滞、ムニューシン財務長官のドル安肯定発言、北朝鮮問題とドル売り材料が目立ちますし、日柄的にもアノマリー的観点からも円高に動きやすい週となっています。さらには今週末は北朝鮮の建国記念日となっているため、北朝鮮による米国に対する挑発行動のリスクもあります。先週同様にランド円ではドル円の値動きの影響が大きくなりやすいと考えることが妥当でしょう。
次にテクニカルな観点ですが、今週はまず日足チャートからです。
ZARJPY日足
7月安値から8月安値までの下げに対し、9月1日までの上げですでに61.8%を超え現在は次の目安となる78.6%にあたる8.59がターゲットとなっています。また、8月1か月かけて形成したトリプルボトム状のネックラインが半値にあたる8.40と重なっていますので、下値は同水準が底堅くなってくると考えられます。
この日足の動きを前提にして、いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。
ランド円、ドルランド、ドル円四時間足
過去3週間の動きをみると上段のランド円はピンクで示した上昇チャンネルの中をランド高に、中段のドルランドは青の点線で示した平行下降チャンネルの中をランド高に推移しています。これらのチャンネルをランド安方向に抜けなければ引き続きランド高が続きやすく、ランド円ではサポートラインが日足のネックラインと同水準に上がってくることもわかります。
つまり、円高懸念はあるもののテクニカルにはランド高を考えたほうが自然であるということになります。常に円高リスクに警戒しつつも、今週は8.40レベルをサポートに、8.65レベルをレジスタンスとする一週間を見ておきます。
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