米国長期債利回り
日本時間の今夜からジャクソンホールで開かれるシンポジウムの中で、明日のイエレンFRB議長とドラギECB総裁の講演に注目が集まっていることもあって、ドル円もユーロドルも方向感が出にくい状態が続いています。
7月のFOMC議事録では市場参加者が思っているよりもハト派な内容であったことから、それ以後12月の利上げ織り込み度は以前に比べると低下しています。こうした政策金利の思惑はフェドファンドレート先物の取引状態に明確に現れますが、短期金利だけでなく長期金利もまた金利低下(債券価格上昇)の傾向が強まっています。
長期金利は、変動要因に需給が大きく影響しますが、現在は市場全体がリスクオフの動きとなっていることもあって、米国債は買われやすい地合いが続いています。この長期債金利に思いの外下げ圧力が強いことも利上げ思惑が後退する要因のひとつとなっています。
昨年5月以降の米国10年債の利回りをご覧ください。
米国10年債利回り
昨年7月の1.337%を最低にトランプ大統領誕生とともに長期金利は急上昇し、12月には最高2.621%まで上昇。その後は3月に2.6%水準でダブルトップのようなチャートパターンを見せ、現在は3月と7月を結んだレジスタンスラインと、それに平行に引いた長期下降チャンネルと短期下降チャンネル(どちらもピンクのライン)で示した中での推移となっています。
すでに、1.337%と2.621%との38.2%押しに当たる2.130%は6月に見ていて、いまはまたその水準に近づいているということがわかります。さすがに半値押しまで行くと2%を割り込んでしまいますので、同水準までの下げは理屈としては考えにくいものの、当面は38.2%押し近辺での推移を継続しやすいとテクニカルには考えられます。
果たして明日のイエレン議長講演で新たな材料が出てくるのかどうか注目ですね。
オーダー/ポジション状況
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