ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円は円高を要因とした下げ相場とし「7.90レベルをサポートに、8.25レベルをレジスタンス」とする週としました。実際のレンジは、安値が8.07レベル、高値が8.39レベルと、前週末の安値で底打ちし反転の一週間となりました。
先週は、ドル円は一週間の行って来いで週末には円高に振れる動きを見せましたが、ランドは多少の上下を挟みつつも週を通してランド高の地合いを継続することとなりました。7月17日から前週8月11日まで続いていたランド安のチャンネルを上抜けたというテクニカルな面もありますが、ズマ大統領の不信任が否決されたことによって悪材料が一通り出尽くしたというところだと思われます。
また先週は15日に裁判所が護民官の提案に判断をくだしました。同国の護民官が中銀の責務変更(物価と通貨の安定から、経済成長へ)を提案していましたが、裁判所は護民官の提案を退ける決定を行ったことで、中銀の独立性が守られたとの見方がされました。このこともランドにとっては好材料とされました。
しかし、いっぽうでムーディーズは南アフリカの政局不安定が不信任投票をもたらし、成長阻害の要因となっていること、今後レーティングを引き下げる可能性もあることに言及していて、先週のランド買いの流れが今後も続くかどうかとなると、まだまだ安心はできないというところです。
今週は、南アフリカ関連では23日にCPIの発表がある程度で目立った材料はありません。またドル円の材料としては週末のジャクソンホールにおけるイエレン議長講演が最大の注目材料ですが、直近のドル安値をトライする動きを見せたことや、本日から始まる日韓合同演習といった朝鮮半島に緊張をもたらすイベントが引き続きドル円の上値を抑える材料とされるでしょう。
ランド円として考えると短期的には底打ちしたものの、依然として戻り売りも出やすくこのまま一本調子では上がらないといった動きが考えられます。目先の流れで悩まないようにまず日足チャートを見てここまでの動きを値幅の面から分析します。
ランド円日足
4月安値7.90から5月高値8.78に対する押しを考えると、押しの限界点として78.6%(61.8%の平方根)押しとなる8.09と先週安値の8.07がほぼ一致し、かろうじて底割れを免れたといえます。また日足レベルではざっくりと8.10〜8.70(ラインマーカーのレンジ)での推移を続けていて、今回も同レンジの下値で止められたと言えます。
次に7月高値8.74から先週安値8.07までの下げに対する戻しを計算すると、半値戻しが8.40となっていて、こちらは先週高値とほぼ一致する水準でした。つまりあと公爵的ではありますが、下げもその後の戻しも値幅観測的にはきれいなレートを示していることとなります。そうした、前提でいつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
ランド円、ドルランド、ドル円 四時間足
先週まではピンクのレジスタンスラインが効いていましたが、週半ばに同ラインを上抜けたことで、現状は先々週の安値と先週末安値を結んだサポートラインとそれに平行に引いたラインとで構成される上昇チャンネルを想定できますが、これも下側はあまりに距離が違い印象です。また、前述したとおりリスクオフの動きによる円買いが強まる場合には、このサポートでは弱すぎる印象で、逆に上昇時の上値のターゲット程度に考えておいたほうがよさそうです。
そうなるとサポートは直近の安値である8.06〜07に近いキリの良いレートとして8.10を考えるということでよさそうです。今週は、この8.10をサポートに、上記ターゲット(上側の平行線)が位置する8.50をレジスタンスとする週を考えたいと思います。
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