リスクオフと金相場
最近の北朝鮮と米国との緊張の高まりからリスクオフ相場となり、株式市場は軒並み売られ為替市場では円が買われる展開となっています。しかし、今朝10日の日経朝刊1面の記事を見ても分かる通り、隣国の韓国では株も通貨も売られています。
これは北朝鮮に接しているリスクを考えれば当然なのですが、問題は本当に円も買いなのかどうか、これは非常に悩ましい問題です。北朝鮮は米国の警告に対してグアムの米軍基地への攻撃を想定しグアム島沖にミサイル4発を撃つ計画を発表していますが、ミサイルの軌道は日本の上空を飛んでいきますし、仮定の連続となりますが、もし米国が反撃をし、それに対抗して同盟国である日本にもミサイルなどという最悪の事態を考えると、韓国同様に円も売られる可能性があるのではないか、色々考えると積極的にドル円での円高も見込みにくいというのも事実です。
そうなると、同様にリスクオフの時に買われる通貨スイスフランの買い、あるいはFXから範囲を広げて歴史的にリスクオフ資産の代表である金、つまりスイスフラン買い、金買いのほうがより朝鮮半島の緊張には適しているのではないかと考えられます。そこで、金(ドル建て)のチャートを見てみましょう。
金相場(ドル建て)
4月以降の日脚ですが上下しながらも7月の直近安値以降は着実に上昇相場となっています。現在の水準は2016年の高値1375.12と今年の高値1296.06を結んだレジスタンスラインに位置していて、ここを抜けてくると今年の高値を改めてトライしやすい状態にあります。
また7月安値1205.02を起点に、8月1日高値までの上げ、その後の8日の押しをN波動と考え、次のフィボナッチ・エクスパンションを計算すると61.8%が1294.39と今年の高値とほぼ一致することがわかります。現在の金相場は1300ドルの手前をターゲットに上昇トレンドの中にあると考えることが妥当です。
なお、リスクオフ資産どうしのクロスとして、金買い・円売り、スイスフラン買い・円売りというのも一層緊張が高まる場合には有効な組み合わせと言えるでしょう。
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