NZ中銀の金融政策結果
本日、NZ中銀はキャッシュレート(中銀政策金利)を現行の1.75%に据え置きを決定しました。エコノミスト予想通りの結果となりました。
要旨内容は前回会合(6月)とほぼ同じ内容となっています。消費者物価指数は中長期で、中銀インフレ目標値の中間付近で推移すると予想しており、先々引き締めに転じる内容は見られませんでした。
為替に関しては前回同様にNZドル安の効用を述べており、通貨高は望んでいない様です。
NZドル/米ドルは金融政策発表前に0.7335米ドル付近で推移していましたが、公表後は0.7365米ドルまで約30ポイント上げ、現在は0.7340米ドル付近となっています。まだ0.7330〜40米ドルのマイナーサポートを維持しています。ここを下抜けば0.7190米ドルまでの下値余地ができます。まだ中期NZドル高トレンドからの調整時間帯にいます。
上値は0.7390〜40米ドルにあった強いサポートが現在は抵抗線となっており、ここを抜き返せば、当面のNZドルは横這い安定になりそうです。
高値から約250ポイントのNZドル下落でしたので、現状では短期ショート筋の買い戻しになった模様ですが、どこまで戻せるか注目されます。(8月10日10:30、1NZドル=0.7339米ドル)
中銀の要旨は以下となっています。
(中銀声明要旨)
理事会は本日、オフィシャルキャッシュレートを1.75%のまま据え置いた。
世界経済はこの4半期で一段と幅広い地域で拡大した。しかしながら、先進国においては、インフレと賃金が依然低いままに置かれており、過剰供給が続いている。国債金利は低く、信用スプレッドは狭く、株価は最高値の水準で推移している。金融政策は多くの先進国においては依然緩和基調だが、先行きは緩和が減ってきている。
貿易加重平均の為替は5月の声明以降、NZドルが上昇している。とりわけ米ドルの弱さにある。NZドルをより低くすることは貿易インフレを拡大するのに必要であり、よりバランス取れた成長を手助けしてくれる。
3月期のGDPは予想以下であった。先々は、緩和基調の金融政策に下支えされ、強い人口増、拡大する貿易、2017年度予算に示された財政支出刺激策などで、改善し拡大していくと予想している。
住宅価格インフレは、住宅価値に対するローン割合の制限や信用供与の引き締めなどにより、緩やかに上昇していくと見ている。大幅な人口増や建設業者の高い稼働率により、価格急騰のリスクはあるものの、緩やかな上昇は継続するとみている。
年率ベースの消費者物価インフレは6月期に少し下落した。しかしながら、依然中銀目標値内にある。目先のインフレは原油や食料価格の下落で、次の四半期では下がると予想している。貿易インフレは依然弱い。貿易以外のインフレは緩やかな上昇である。しかし、稼働率の高まりで徐々にインフレが上昇していく可能性があり、中期では中銀目標値の中央までいくと予想している。長期のインフレは2%程度に落ち着くと見ている。
金融政策は暫くの間、緩和基調を維持していくだろう。多くの不確実性が残っており、金融政策が順次調整していくとみている。
(要旨は以上)
(注)NZ中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
次回の金融政策は2017年9月28日に予定されています。
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