水星の逆行と日柄の話
ジャクソンホール・シンポジウム最大のイベントとなる本日のイエレンFRB議長とドラギECB総裁の講演を前にドル円は日替わりで上下を繰り返しています。今週月曜の下げ以降見事に日替わりで方向を変えていますが、それも本日の2大講演を前にして参加者の方向感が出ていないことが原因ですが、それ以外にも日柄によるところが大きいと考えています。
ここのコラムでも時々、日柄の話をテーマに天象(天文現象)と相場の相関について書くことがありますが、8月13日から9月5日までは水星が逆行の時期にあたり、相場の方向感が出にくく、テクニカルにも行き過ぎや中途半端なところで止まるといったことが起きがちです。両氏の講演は注目度も高いので何らかの動きにはつながるでしょうが、大きなダマシとなる可能性を筆頭に十分に注意が必要となります。
さて、水星の逆行と言っても実際に水星が逆に動くことはありません。水星の内合(地球から見て、太陽と地球の間に水星が直列する状態)の前後の期間に3週間ほど星図上を水星が黄道(太陽の通り道)上を地球から見ると逆に動く現象のことです。通常は、黄道上を度数が増える方向に西から東へと動いていますが、逆行時には東から西へと動いているように見えます。これは、地球の自転による日周運動とは異なり、惑星は星図上で動かない恒星の間を西から東に動いている状態(順行)に対して、逆行と呼ぶわけです。
わかりやすく言うと、地球から見て水星がインコースを抜き去っていく動きです。
より詳細に見ると以下のような動きです。
上段が水星の黄経(黄道上の度数)で黄色のラインマーカーの部分が逆行期間です。下段は水星の対地速度(地球から見た場合の運行速度)で0ラインを下回っているところが逆行期間、もっとも速度が遅いところは内合(直列の瞬間)ということがわかります。
どうでも良い話だと思われる方も多いでしょうが、この水星の逆行にまつわる相場との関係はかなりのもので、振れやすい期間の中でも特に最初の一週間はドル円のボラティリティが高まる傾向が強く、さらに逆行から順行に戻る前後では円高に動きやすいといったことも多々あるのです。
今回の順行に戻るのは9月5日、影響が出やすいのは4〜6日となり、ちょうど1日に米国雇用統計が出たあとの週明けですね。雇用統計アノマリーでドルが高値をつける動きが出て、その後に反落という流れをイメージしやすいのですが、どうなるでしょうか。
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