ドル円 北朝鮮動向ジャクソンホール発言待ち(8/25)

21日深夜には108.634円をつけたが新たな底割れを回避、ダブル底型を形成して23日午前には109.822円まで戻した。

ドル円 北朝鮮動向ジャクソンホール発言待ち(8/25)

<概況>

21日深夜には108.634円をつけたが新たな底割れを回避、ダブル底型を形成して23日午前には109.822円まで戻した。しかし戻りは続かずに24日朝安値108.84円まで下落。109円割れは再び買い戻されて109.50円台まで戻したところだ。
108円台では突っ込み警戒感から戻すものの、北朝鮮情勢、ジャクソンホール・シンポジウムも控えているため、17日未明のFOMC議事録公開から崩れる前の水準=111円手前まで戻してゆくにはきっかけ不足。18日安値を割り込んで一段安へ向かうにも時期尚早というところだ。

【やや右肩上がりの平行チャンネル】

8月11日、18日、21日、24日と109円割れは買い戻されているが8月17日未明の米連銀FOMC議事録公開からの円高では安値を更新し、その後の戻りも半値戻し程度に留まっており、108円台後半から111円前後までのレンジ相場というところからは水準をやや下げ、109円割れは切り返しているものの110円には届かずというレンジになってきている印象だ。

8月18日深夜安値から反騰した時の高値が109.59円、23日の戻り高値が109.822円で高値ラインを作っているが、21日深夜安値108.634円と24日安値108.84円を結ぶ安値ラインも高値ラインとほぼ平行になっている。このため、24日朝からの上昇基調が継続なら、高値ラインのある110円を試す可能性が考えられる。109.30円割れから続落し始める場合は安値ラインが来る109.00円前後を試す可能性があるが、その安値ライン前後から戻しに入れば次の上昇で戻り高値を切り上げてくる可能性が考えられる。109円割れから続落なら、安値切り上がりラインからの転落となり18日安値試し、あるいは底割れからの一段安開始へ進む可能性が考えられる。

7月11日高値から下落基調で推移してきた上で、安値圏での持合いが続き、さらに21日以降は持ち合いの上限がやや下がった状況にあるので、中勢レベルではまだ下げ足りなさが残るとすれば、上記の平行チャンネルを維持しながら戻り高値を切り上げてゆく可能性よりも、安値ラインを割り込んで一段安へ向かいやすい状況かもしれない。

【ジャクソンホール】

イエレン議長は25日23時、ドラギ総裁は26日4時から講演予定。
イエレン議長は過去2回の同シンポジウムでは刺激的な発言をしてこなかった為、今回も市場が反応するようなことは言わないかもしれないが、インフレ目標実現がなかなか進まない状況に対する認識なり、緩やかで市場を刺激しないような緩和政策の縮小姿勢を示せば、ハト派的だとしてドル安要因になる可能性がある。年内のFOMCは9月19日〜20日、10月31日〜11月1日、12月12日〜13日。

ドラギ総裁は多弁なので、なにか金融緩和政策の出口戦略についての持論を述べる可能性もあるが、金融政策については触れないのではないかとの観測記事も出ている。ただし、1月から現在までのユーロ高基調に対しての懸念を示せばユーロ安ドル高、出口戦略への自信を示せばユーロ高ドル安基調の継続としてのきっかけになるかもしれない。年内のECB定例理事会は9月7日、10月26日、12月14日。
両者とも何も言わなければ市場は勝手に従来からの流れ=ユーロ高基調、円高基調の継続と受け止めるかもしれない。そのあたりの反応度合は実際のイベントを通過してみないと何とも言えないところがある。

【先軍節】

25日は北朝鮮の先軍節(故金正日総書記が軍事優先の指導を始めた記念日)である。8月21日から米韓軍事演習が始まっていることに対して非難姿勢を強めているももの、今のところは市場を刺激するような新たな有事緊張のエスカレートは見られていない。
北朝鮮戦略軍はトランプ大統領の攻撃的発言に対応するかのようにグアム島近海への中距離弾道ミサイル「火星12」の4発同時発射計画を発表した。しかし金正恩委員長は「米国の行動をもう少し見守る」と述べ、その後は軍事的な行動をとっていない。トランプ大統領もこの発言に対して「よい判断をした」と述べ、緊張緩和と対話路線を意識させている。

米朝間の有事リスクについては、現実的な軍事衝突の可能性はまだかなり低い、ないだろうと観られているが、緊張感を煽ることが両者にとって都合が良ければ、ぎりぎりまで緊張感を煽るチキンレースが続く可能性があり、緊張感が解除されなければ市場も全面的なリスクオンへは進み難い。
25日、あるいは26日から27日にかけて何もなければ、その次は9月9日の北朝鮮建国記念日の前後がポイントになってくるのだろう。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では24日朝への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したが、その後の反発により24日深夜からは遅行スパンが好転、先行スパンも上抜けている。先行スパンは現在109.33円から109.20円弱のところにある。このため先行スパンから転落しないうちは23日午前高値試し、あるいは突破へ向かう可能性があるが、109.50円台を維持できずにジリ安となってくる場合は先行スパンからの転落注意とし、転落からは下げ再開として109.00円前後試しへ向かうとみる。

60分足の14本相対力指数は24日深夜への上昇で60ポイント台まで戻した。特に弱気逆行等も見られていないので、50ポイント以上を維持するうちは上昇継続余地ありとするが、70ポイント手前では反落注意とみる。仮に23日高値を上抜く場合には指数の弱気逆行となりやすいと思われる。50ポイント割れからは下げ再開を疑う。

概ね3日から5日周期の短期サイクルでは、8月18日安値と21日深夜安値をダブル底として戻し、8月16日高値から5日目となる23日午前高値でサイクルトップをつけて下落した。24日朝安値からの上昇で直前の下落幅の半値以上を戻しているので、18日深夜安値から3日目となる24日朝安値を直近のサイクルボトムとした上昇期にあると考える。このため、24日朝安値割れ回避の内は26日未明から30日にかけては上昇継続となる可能性があるが、24日朝安値を割り込めば底割れによる新たな下落期入りとして次の底形成期となる29日から31日への下落へ向かうと考えられる。

以上を踏まえ、当面のポイントを示す。
(1)109.30円以上を維持する内は23日高値109.822円試し、高値更新なら110円を試す可能性ありとみるが、23日高値から110円にかけてのゾーンは戻り売りに崩されやすいとみる。
(2)109.30円割れから続落なら弱気転換注意として109.15円から109.00円前後試しを想定するが、そこはいったん買い戻されやすいとみる。
(3)北朝鮮問題やジャクソンホールイベント等をきっかけとして110円超えへ進む場合は先行き110.50円から111円手前への上昇へ進む可能性を優先的に考える。逆に下落へ向かって109円以下での推移に入る場合は下向き、18日安値割れからは円高の加速として108.00円試し、さらに先行きで107円台への下落を想定してゆく。(了)<9:45執筆>

【当面の主な予定】

8月21日から米韓軍事演習、31日まで
8月25日
北朝鮮 先軍節
カンザスシティ連銀経済シンポジウム(ワイオミング州ジャクソンホール 27日迄)
21:30 (米) 7月耐久財受注 前月比 (6月 6.5%、予想 -6.0%)
21:30 (米) 7月耐久財受注 除輸送用機器 (6月 +0.2%、予想 +0.4%)
23:00 (米) イエレンFRB議長、ジャクソンホールで講演

8月26日
04:00 (欧) ドラギECB総裁、ジャクソンホールで講演

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