ドル円Jホール会合を注視レンジ放れなるか(8/25夕)

25日の東京市場は、レンジ取引。109円後半、30ポイントにも満たない狭いボックス内での一進一退で、明確な方向性はうかがえなかった。

ドル円Jホール会合を注視レンジ放れなるか(8/25夕)

<< 東京市場の動き >>

25日の東京市場は、レンジ取引。109円後半、30ポイントにも満たない狭いボックス内での一進一退で、明確な方向性はうかがえなかった。

109.55円レベルで寄り付いたものの、動意らしい動意はなく、開始から2-3時間は10ポイントレンジのベタ凪相場。やや動きがあったのは仲値決定(午前10時)を前後した数十分だけで、月末間近の週末ゴトー日(5・10日)ということを受けて仲値不足観測が高まり、一時円安が進行している。ドルは、109.50円台から109.75円レベルへとわずかに上昇したものの続かず、仲値が決定後は再び10-20ポイントの凪相場に逆戻り。16時時点では109.60-65円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料面として話題となっていたのは、北朝鮮情勢。本25日は、故金正日総書記が軍事優先の指導を始めた記念日「先軍節」にあたるなか、共同通信が「米朝間の威嚇の応酬は小康状態だが、北朝鮮は北東部豊渓里で6回目の地下核実験の準備を完了した可能性がある」などと報じ、警戒感を醸していた。ただ、具体的な行動がなかったことから、為替相場への影響も限定的なものに留まっている。
なお、そうしたなか安倍首相と文大統領、日韓首脳が電話会談を行ったもようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

前述したように、北朝鮮が本日記念日に当たることでアジアの地政学リスク懸念が再び強まるなか、「中国爆撃機6機が紀伊半島沖まで飛来、空自は緊急発進」「ロシア国防省、同国戦略爆撃機が太平洋・日本海・黄海および東シナ海の上空を飛行と発表」「中国海警局の船4隻、尖閣沖接続水域に侵入」−−など、なにやら日本を取り巻く環境がだいぶキナ臭さを増している。続報などに注意を要したい。もっとも、日本が戦火の当事国となると、「リスク回避の円買い」となるのかどうかは不透明。むしろ、「有事の円売り」となる可能性もありそうだ。

本日ということに限れば、やはりジャクソンホール会合、イエレンFRB議長やドラギECB総裁の講演に要注意。地政学リスクやトランプ米大統領の政権運営不安などを蹴散らし、ドルが買い進められる展開となるのだろうか!?

テクニカルに見た場合、8月以降形成している108.60-111.00円といったレンジはもちろん、先週末18日以降のレンジ108.60-109.80円も依然として脱却できていない。まずは後者から、しっかりと放れることが出来るのか、放れるとすれば方向性はどちらか、といった内容が注視されている。
なお、本日は週末ということで、週足・一目均衡表の観点から見た先行帯の雲の下限(108.65-70円)を維持できるかどうかにも注目だ。先週まで過去2週、週末NYクローズベースではサポートされたが、果たして「2度あることは3度ある」のだろうか。

一方、材料面を見た場合、7月の耐久財受注・速報といった米経済指標が発表される予定となっており、それにまずは要注意。また、引き続き25日の「記念日」中ということで、北朝鮮情勢にも警戒を要したい。
しかし、もっとも注意を要するものは、やはりジャクソンホール会合、なかでもイエレンFRB議長とドラギECB総裁の講演を注視している向きが少なくない。ちなみに、イエレン氏の講演は現地時間25日の午前8時ごろ、開会式直後とされており、ドラギECB総裁の講演は同午後1時ごろになる見込みだという。

以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.00-110.50円。ドル高・円安方向は、昨日高値の109.80-85円が最初の抵抗で、抜ければ7月高値を起点とした直近下げ幅の23.6%戻しに当たる110円レベル、移動平均の52週線が位置する110円半ばなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、109円半ば、109.20円レベルなどに弱いサポートが位置するものの、しっかりしたポイントは昨日安値の108.85円レベル。また、割り込んでも108.60-65円、年初来安値108.13円など108円台にサポートは多く、ドルは底堅い展開か。(了)

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