少し長めのこれまでのユーロドルの振り返り
ユーロ圏、政治不安の後退、景気上向き等で相対的位置づけ改善
ユーロ圏は3月のオランダの総選挙、フランスの大統領選とその後の国民議会選挙でのマクロン政権の誕生等を経て極右の台頭を阻止したことから政治的不透明感を払しょく、その後は経済も低迷から脱する兆候が見られ、更にイタリアの金融機関も不良債権問題、ギリシャ債務問題にも目途が立ちつつあるなど、通貨ユーロにとって環境の良化が続きました。
そのような背景の下、年初の1.0341の史上最安値を底に、3月以降緩やかな上昇傾向にあったユーロは、フランス大統領選をきっかけにより急激な上昇トレンドにシフト、その際にできた1.0778-1.0821の「窓」は埋まらずじまいのまま、現在も大きくはそのトレンドを外れていません。
ECB出口議論も本格化か
そして従来金融の引き締めに慎重な姿勢を崩さなかったECBドラギ総裁の言動に変化の兆し見られたのが6月最終週、その前後のタイミングで節目の昨年のトランプ大統領選挙勝利直後の瞬間高値1.1300を上抜けました。
翌週公開されたECB理事会議事要旨ではその動きを裏付けるようにテーパリングが議論されていたことが判明、ユーロはさらに上昇し長期にわたる膠着相場の上限の一部を形成するトレンドライン1.14500もクリア、現在は1.1500の節目や、膠着相場の二つのピーク、昨年5月の高値1.1616、2015年8月の高値1.1714を目指す動きとなっています。
先週の動き
イエレン議長議会証言を機に買いポジションの調整、その後再び上伸
先週はイエレン議長の議会証言に注目が集まりましたが、最近やや強気に転じていたと感じられていた議長がやや予想を裏切る形でハト派の証言を行ったことで、ドルは主要通貨に対して急落する中で、対ユーロだけは乱高下の後上昇。
ユーロドルはその後のポジション調整で二営業日下落して、1.1400を割り込みました。
しかし、週末金曜CPIの不冴えには素直に反応し再びユーロ高に、1.1470の高値をつけて越週という複雑な動きをしました。
今週の見通し
ユーロドル調整を交えながらも堅調推移
週明けのユーロは先週末とほぼ同水準の1.1464で取引を開始、今週は20日水曜にECB理事会が開催され、政策金利の変更等は予想されないものの、ドラギ総裁の記者会見に注目が集まります。ただ、ユーロは既にセッションの高値圏の接近しており、1.1500の節目を抜けると上記1.1616水準まで抵抗線らしい抵抗線も無く、イベント前であってもユーロ上昇が加速する可能性があります。
一方サポートは週初1.1354レベルの21日移動平均、1.1326あたりにあり上昇中のトレンドライン、比較的長持ちした抵抗線だった1.1300と1.13台前半を中心に厚く、下値は限定的です。
今週の予想レンジ1.1350-1.1735
予想レンジは1.1350-1.1735、ECB理事会次第ではありますが2015年から続く長期膠着レンジ1.0341-1.1714を最終的に離脱する可能性のある局面です。
さらに、仮にレンジを抜けたとしても、長い目で見ればチャート的にはユーロの買い戻しは端緒についたばかりと見ることもできる形状であることには注意が必要です。
オーダー/ポジション状況
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