<概況 7月11日高値から二段下げ>
7月11日高値で114.49円まで上昇、5月11日高値114.36円をわずかに上抜いたが、その後は反落、112円台前半まで押してきている。
7月11日への上昇は6月15日未明の米連銀FOMCによる利上げ決定をきっかけとした上昇であり、7月3日に一段高、7日の米雇用統計からさらに一段高して5月11日高値を超えるところまで上昇してきたわけだが、さらに高値更新、一段高へ進むには推進材料不足となり、高値警戒感から下落した。
7月12日夜のイエレン議長議会証言においては、市場が懸念していた「利上げのペースアップ」感はみられず、比較的ハト派な内容だったことから113円割れまで一段安した。
14日へやや戻したものの14日には米消費者物価、小売売上高、ミシガン大消費者信頼感指数が予想より悪かったことでドル安が進んで急落、112.50円を割り込んだ。17日もNY連銀景況指数が予想より悪かったことで円高反応する場面があった。前日の17日、18日午前は112.50円を挟んだ持ち合いに留まっている。
7月11日深夜高値からの下落について、13日までを一段目とすれば、14日夜の底割れにより、現状は二段目の下げに入り、一段安直後の下げ渋り的な横ばい持ち合いとなっている状況という印象だ。
【2か月毎の高値形成、安値形成のリズム】
昨年12月15日高値を天井として4月17日安値まで下げてきたが、戻り高値は1月19日の115.61円、1月27日の115.37円、2月15日の114.95円、3月10日の115.50円、そして5月11日高値114.36円と114円台前半が抵抗帯であり、114円台半ばを超えると115円を試すが、そこで行き詰まるというパターンを繰り返しており、今回もその水準に到達して下げ始めている。
また、3月10日、5月1日と2か月目に高値を形成して下落し、4月17日安値から2か月目の6月14日を底として上昇しており、2か月毎の高値形成、安値形成のリズムを踏まえると、今回は7月11日高値で2か月毎の高値をつけ、次の安値形成期となる8月半ばへと下落を継続する可能性も考えられるところだ。
7月20日に日銀金融政策決定会合、ECBの金融政策発表がある。来週の25日、26日には米連銀のFOMCもある。これら金融政策に対して円高反応が継続してゆく場合は2か月後の安値形成というリズムを踏まえれば8月にかけて下落継続しやすくなるかもしれない。もちろん、3月10日からのリズムはそうだったが、これからもそのリズムが継続するとは限らないわけで、円安ドル高材料を背景に高値を更新してくれば、これまでのリズムから安値形成期と考えられる8月半ばが逆に高値形成期と変わってくると考えられる。
【60分足 一目均衡表分析】
7月11日深夜高値からの下落で遅行スパンは悪化。1日に一時的に好転したが14日夜へ再び悪化している。17日からは相場が横ばいのため遅行スパンは実線と交錯しており、方向感に欠けるが、14日安値112.27円割れからは再び悪化してくるため、下落基調が継続しやすくなると思われる。
7月14日の戻り場面では先行スパンに潜り込んだが上抜けられずに転落している。17日夜の反発では先行スパン下限が抵抗となった。これらは先行スパン突破が難しい印象を与えるため、強気回復は先行スパン突破からと考えるべきだろう。
60分足の14本相対力指数は14日夜の一段安では20ポイント割れまで突っ込んだが、その後の戻りでは60ポイントを超えられず、18日午前には50ポイント以下へ軟化しているため、まだ一段安が懸念される姿と思われる。
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、7月6日から5日目の13日安値で直近のサイクルボトムをつけたが、14日夜の底割れにより新たな弱気サイクル入りとなっている。次の安値形成期は18日の日中から20日にかけての間と想定されるので、18日夜、19日にかけては一段安へ進みやすいとみる。
以上を踏まえると、113円超え=60分足の先行スパン突破へ進めない内は一段安警戒とし、14日安値割れからの一段安開始では112.00円から111.50円にかけての下落へ進みやすいとみる。(了)<10:15執筆>
【当面の主な予定】
7/18
18:00 (独) 7月ZEW景気期待指数 (6月 18.6、予想 18.0)
21:30 (米) 6月輸入物価指数 前月比 (5月 -0.3%、予想 -0.2%)
23:00 (米) 7月NAHB住宅市場指数 ( 6月 67、予想 67)
7/19
21:30 (米) 6月住宅着工件数 (5月 109.2万件、予想 116.0万件)
21:30 (米) 6月建設許可件数 (5月 116.8万件、予想 120.8万件)
オーダー/ポジション状況
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