ランド円レポート月曜版(2017年7月10日)

先週は中銀の独立性を巡って新たなランド安懸念の材料が出ています。

ランド円レポート月曜版(2017年7月10日)

ランド円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円はどちらかに抜けるまでは方向感は出ず「8.45をサポートに、8.70をレジスタンスとする」としました。実際のレンジは、安値が8.37レベル、高値が8.63レベルと、予想よも若干ランド安の水準での推移となりました。

先週は中銀の独立性を巡って新たなランド安懸念の材料が出ています。先月には政府監視を行う護民官が、南ア中銀の使命を通貨と物価の安定から経済成長へと変更すべきとの、中銀の独立性を損なうような発言が出ていました。その時にはギガバ財務相が中銀の独立性に反するとの反論を行いました。

先週は与党ANCが年末の党首選に向けた政策の一つとして、南ア中銀の完全国有化を提案しました。今回は中銀の使命については言及されていないものの、国有化による政府の関与が強まる可能性があり、これもまた中銀の独立性に反するものとなり得ます。まだ12月まで時間があることと、実現に移すにはハードルが高いこともあって大きな問題にまでは発展していないものの、中銀に対する政府が関与する可能性があるという点は、世界的に南アフリカからの資金逃避に繋がるリスクがあるため、今後も中銀を取り囲むニュースには注視しておく必要があるでしょう。

さて、問題は先週のニュースに反応した下げでこれまで続けてきた5月安値8.10と5月高値8.74の半値「8.42」と5月高値「8.74」とに挟まれたレンジを抜けたかどうかです。いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。5月下旬の動きを見るためにやや広い範囲を表示してあります。

       ランド円、ドルランド、ドル円四時間足

       ランド円、ドルランド、ドル円四時間足

チャートを見ても分かる通り、先週の安値圏はローソク足の下ヒゲでは何度もトライしているものの終値では、かろうじて同サポートを維持していると見ることが出来ます。また5月末にいったん押しが入った時には、5月安値8.10と5月高値8.74の61.8%押しにあたる8.34に近い8.35の安値をつけたこともありますので、この8.34を次回割り込むまでは引き続きレンジ内でのもみあいを終わっていないと考えることが出来るでしょう。

今週のイベントですが、南アフリカ関係ではあまり目立った材料がありません。長らく続いている夏休み相場の様相を呈していますが、今週も大きな期待は出来そうもありません。ただ、主要先進国が軒並み引き締めへの転換、緩和策の後退と利上げ機運が高まっている中で、日本だけは大規模緩和を維持する姿勢を明確にしておあり、先週も他国に追随して長期金利が上昇していることを受け、日銀が金利上昇を抑制するための指値オペを行いました。

そうなると、少なくとも本邦からのランド買いは継続しやすいと考えられますので、今週も先週のレンジ内での動きを前提に、8.40レベルをサポートに、8.60レベルをレジスタンスと一段と動きにくい一週間を見ておこうと思います。

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