概況
先週のユーロドルは週前半は前週の大幅な上げから反落して調整する局面もありましたが、週末にかけて再度反転し、長期レンジ相場の上値を試す動きとなっています。
6月下旬のドラギ総裁の突然の「タカ派転向」に前週急上昇したのとは打って変って、先週のユーロドルは売りが先行。北朝鮮のICBM試射成功による地政学リスクの高まりにユーロ円で円が買いもどされたこともあり、1.14台から1.13台前半まで反落しました。
しかし、本格的なユーロ売りとはならず5日の1.1313を底値に反転。
6月のECB理事会議事録で、ユーロ圏の景気拡大への確信とテーパリング議論が確認されたことで再び上昇に転じ、週末の米雇用統計後の乱高下で一時1.1440をつけ、1.1400近辺で越週となりました。
週明けの東京市場は静かな動きとなっていますが、ユーロドルは1.14台に乗せて徐々に上昇しています。一方ユーロ円はドル円が堅調に推移していることもあり再び130円台での取引です。
今週の見通し
日欧の金融政策の対比鮮明に、ユーロ円に買い圧力
金融政策の正常化に向かうユーロ圏と一歩先行しているものの最近の指標等に時折陰りがみられる米国、金融引き締めに追随する動きを見せる周辺国。
その中で日本だけは先週10年物国債の指値オペを実施、金利上昇阻止に無制限介入も辞せずの姿勢を明らかにしています。
欧州圏の金融政策に明らかな転換が見られ、しかも日銀が金融緩和政策継続を駄目押しで確認した以上、為替市場でユーロ円の上昇は不可避の状況、週明けは高値130.28をつけ、昨年2月以来の高値を更新しています。
チャート的にも2014年12月の高値149.78を起点とする下げ(109.57 16/6/24)の半値戻し129.68を上抜けており、意味があるかは別としてユーロ円の史上最高値169.96からの安値2008/9/30起点の安値(94.12 12/9/28)の半値戻し132.04程度しかチャート上のポイントも見当たらない状況です。
ユーロドルは今週はドル主導の動きか
一方ユーロドルは、米経済の先行と不透明感との対比になりより微妙な動きですが、雇用統計で、米景気先行き不安は一旦払拭された形になりましたのでごく短期の均衡点を見つけつつあるイメージです。
上値は6月29日来3度トライして上抜けなかった長期レンジの上限を形成するトレンドライン1.1449が強い抵抗線になっており、今すぐに上抜ける感じもしませんが、政治不安も払拭され、ギリシャ支援問題、イタリアの金融機関救済にも目途がつきつつある欧州の環境改善を考えれば、時間をかけてでもユーロの長期低迷からの脱出は実現しそうに思えます。ユーロの材料としては20日のECB理事会が当面の焦点、ユーロ圏財務相会合はあるもののギリシャ支援は決着済みであり、今週はユーロドルの変動は12日のイエレン議長講演等米ドル発のものが中心となりそうです。
ユーロドル1.1350-1.1450、ユーロ円は129.30-132.00
今週の予想レンジはユーロドル1.1350-1.1450、ユーロ円は129.30-132.00。
オーダー/ポジション状況
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