トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は上昇チャンネルの中で底堅い推移を続けることを前提に「31.50レベルをサポートに、32.20レベルをレジスタンス」としました。実際のレンジは、安値が31.58レベル、高値が32.08レベルと、予想よも若干狭い値幅で想定内の推移となりました。
先週は特に目立った材料も無く、ドル円でのクロス円全般での円安傾向がトルコリラ円でも円安の動きにつながった訳ですが、主要通貨と比較すると円安スピードはかなり緩やかです。ドラギ総裁発言で急騰したユーロ円と比べると、以下のような感じです。
先週始値 高値 上昇率
ユーロ円 124.46 128.79 3.5%
トルコリラ円 31.62 32.08 1.5%
原油高といったリスクオンの動きがあったにも関わらず、トルコリラ円、ランド円といった新興国通貨は思ったほどの上昇にはつながりませんでした。トルコに関しても悪材料も好材料もある程度出尽くしてしまい、と言って新たな材料があるわけでも無くと動きにくい一足早い夏休み相場入りの感が強まっています。
今週の材料としては本日3日にCPIが発表されるものの、高水準を維持している後期流動性金利の更なる上昇を見込むほどの材料とまではならないのではないかと考えられます。トルコ中銀は引き締め姿勢は堅持していることから、CPIの上昇にも落ち着きが見られます。本日のCPIもピークアウトが確認されるような数字であれば、逆に物価上昇も落ち着いた高金利通貨ということで、これまで同様緩やかなトルコリラ高が続きやすいと言えるでしょう。
ただ、最近のトルコリラ円自体動きが乏しく、だいぶコメントしにくいマーケットとなって来ています。今回はトルコリラ円とドルトルコリラの日足チャートを見て、長期的な傾向について見てみることとしましょう。
まず、ドルトルコリラです。
ドルトルコ日足
年初来高値(トルコリラ安値)3.9420から考えると随分とドル安・トルコリラ高の水準となっていることがわかります。昨年12月の押し3.3408から3.9420までの上げに対して、6月の安値(トルコリラ高値)は78.6%(61.8%の平方根)押しとなる3.4694とほぼ一致しており、長期的なトルコリラ高の傾向は続いているものの、短期的にはいったんトルコリラの高値も見たというチャートと言えるでしょう。ドルトルコリラのチャートからは、いったん6月のドル高値圏(トルコリラ安値圏)への調整が入る可能性を考えるべきチャートです。
次にトルコリラ円です。
トルコリラ円日足
ここ1ヶ月半ほどの上昇トレンドが小さく見えるダイナミックな動きと言えますが、1月安値と4月安値とで底打ちし、5月高値=6月高値=32.08を明確に上抜けて来ると1月初めにつけた年初来高値33.20レベルをトライしやすいチャートと言えます。これまで同様の緩やかな上昇を続けて行けば、32.08を試す流れは早々にやってくるでしょうから、その時は次の大きめのトルコリラ円の上昇を見込んでもよさそうです。
今週のトルコリラ円は、先週の安値圏31.60レベルをサポートに、高値を抜けて一段高を試す動きを見せ32.30レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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