<< 東京市場の動き >>
30日の東京市場は、一時ドル安が進行するも、終わってみれば「行って来い」。111円台でドルの底堅さを再確認する展開だった。
112.05円レベルで寄り付いたのち、昼前にかけて日中安値である111.70-75円までじり安。週末・月末・四半期末ということでの需給要因をにらみつつ、前日の米株大幅安を受けて、日経平均株価も連れ安となり一時2万円の大台を割り込んだことなどが嫌気されていたという。
しかし、111.70-75円は前日NY安値にも近い水準。ドルは下げ止まると、小反発に転じてきた。112.10円レベルと寄り付き水準まで値を戻し、16時時点では、そのまま112.00-05円で推移して欧米時間を迎えている。
一方、材料的には、「訪米中の世耕経産相が米商務長官と会談、通商課題などを協議」「米韓大統領が初対面、ホワイトハウスで公式夕食会開催」−−といった政治絡みで幾つかの報道があったほか、5月の完全失業率など日本の経済指標がまとめて発表されたものの、それほど目立ったインパクトは与えられず、影響は限定的なものに留まった。
<< 欧米市場の見通し >>
前日の市場は、さながら「ジェットコースター相場」。NY時間に113円寸前まで値を上げたことも驚きだったが、そこから数時間で111円台まで下落したことはさらにビックリした。
しかし、そんな昨日の荒れ相場を経て思うのは、昨日懸念した「ヒョッとすると、従来のレンジを1円程度切り上げた111-113円などという新レンジを形成する可能性」について。本日は米経済指標の発表なども多く予断は許さないが、乱高下の末、結局元のレベル−−などということがあっても不思議はない気もしている。
テクニカルに見た場合、昨日のNY時間そして本日の東京時間と、ドルは短期的に見て111.70-80円で2度サポートされている。これは、111.80-85円で推移する一目均衡表の先行帯の雲の上限がドルの下支え要因として意識されているのかも知れない。ともかく、ドルの下値はかなり底堅いイメージだ。
しかし、その一方で上値も重そう。113.05円が5月高値114.38円を起点とした下げ幅の76.4%戻しに当たることもあり、昨日上げ止まった113円前後がやはり短期的には強い抵抗として意識される可能性もある。
一方、材料的に見た場合、5月のPCEデフレーターや6月のシカゴ購買部協会景気指数など発表予定の米経済指標にまずは要注意。実際、昨日も改定値より数値が改善されたとはいえ、通常であれば関心がさほど高くない1-3月期の米GDP確定値でマーケットが動いているだけに、本日も数値如何では同様の展開をたどりかねないなどとする警戒感も一部で指摘されていた。
また、米株や金利、原油価格など他市場の動き、ならびに週末・月末・四半期末ということでの駆け込み的な需給要因にも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.30-112.80円。ドル高・円安方向は、112.15-20円が最初のターゲットで、抜ければ112.92円や113.05円などが視界内に捉えられそうだ。
対するドル安・円高方向は、ジワリと厚みを増し、本日は111.25-80円に位置する一目均衡表の先行帯の雲がサポートとして意識されている。その上限を下回ることはあったとしても、下限を割り込む可能性は低いのではなかろうか。(了)
オーダー/ポジション状況
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