ユーロ新規材料難の中底堅く推移
先週のユーロは週明け仏大統領選のマクロン氏勝利の結果を受けて、対ドル1.10を越えて取引されたものの、Sell on the factの動きに足場固めには失敗、週央にかけてはドルの強さもあって1.09を割り込むレベルまで反落しました。しかし、週末米指標の弱さや、政治的不透明感からドルが売られると、週明けは再び1.09台を回復して取引されています。
ユーロ独自の新規材料が乏しい中でユーロは対ドル1.10の足場固めには失敗したものの、木曜には21日移動平均線が200日移動平均線をゴールデンクロスして昨年10月以来上回り、ユーロドルは底値を切り上げています。
週明けのユーロドルは1.086あたりに位置して上昇中の21日移動平均線と、4月後半以来の相場の動きの中心となっているフィボナッチ61.8%ライン1.0934に挟まれた位置関係にあり、1.093近辺で取引されています。
今後1.0934のレジスタンスを明確にクリアできれば再び1.10や、先週初の高値1.1023を目指す動きとなりそうです。
一方ユーロ円は仏大統領選後のリスクオンの動きが一段落しているために、底堅い動きの中で124近辺で足踏み状態となっています。ユーロドルと違いアジアの地政学リスクの影響を受けるため、週末の弾道ミサイル発射等の材料で北朝鮮情勢が深刻化して、リスク回避の円高の動きとなった場合には123.46レベルにある転換線を除けば120円台前半までサポートらしいサポートも見当たらず、下値方向の急激な動きには警戒が必要です。
今週ユーロ圏では16日のGDP、17日の消費者物価指数、19日の消費者信頼感指数等の重要指標発表が相次ぎます、現状はドルをめぐる材料の影響が強く、これらの指標が相場を主導するには至らないものと思いますが、ECBの今後の金融政策スタンスを占ううえでは注意深くチェックする必要がありそうです。
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