トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は「トルコ国内の情勢を考えるとトルコリラ買いには注意したい面はありますが、テクニカルには買い。30.80レベルをサポートに、2月高値31.70レベルをレジスタンスとする流れ」としました。実際のレンジは、安値が31.12レベル、高値が31.94レベルと、予想以上にトルコリラが強い週となりました。
先週はGWで東京勢が連休の中でもリスクオンの動きが続き、イベント的にもFOMC、雇用統計と円売り(ドル買い)が目立つ週でした。いっぽうでトルコリラは対ドルで3.5181までトルコリラ買い(ドル売り)となり、1月2日のドルトルコリラ年初来安値をわずかに更新する動きを見せ、結果としてトルコリラ円は堅調な週になったと言えます。
材料的には3日にトルコの4月CPIが発表されましたが、前年比11.87%と前月(11.29%)よりさらに上昇する結果となりました。後期流動性貸出金利は4月26日に12.25%に引き上げたばかりですが、引き続き上昇思惑もありそうです。しかし、長期的にここまで高いインフレは最終的に通貨安へと繋がるリスクは常にありますので、エルドアン大統領の強権が憲法の後ろ盾を得た今、CPIと中銀の金融政策がトルコリラの材料となることは間違いないところです。
今週は、主要国のイベントも一巡し、ドル円をはじめ主要通貨にとっても、トルコリラにとっても目立った材料がありません。テクニカルには、週報を見ていただくとわかりますが、ドル円は113.40(昨年12月高値と今年4月安値の半値戻し)近辺をターゲット兼、強いレジスタンスとしている中でトルコリラが対ドルでもう一段強くなるかどうかが見極めのポイントとなりそうです。
ドルトルコリラの日足チャートをご覧ください。
ドル/トルコリラ日足
トルコリラは長期的にリラ安を継続していましたので、ドル・トルコリラの安値の起点を探すのは悩ましく、それよりは過去の押しを参考にした方が良いと言えます。現行水準よりも下で押しらしい押しというとピンクの水平線を引いた昨年12月安値3.3408ですが、長期的にはターゲットとなり得ても距離がありすぎます。そこで、3.3408と今年1月に付けたトルコリラの最安値(ドル高値)3.9420をレンジに取り、78.6%(61.8%の平方根)を取ると、3.4694と現在の水準(3.54レベル)から2%程度のトルコリラ高の水準で、今後のターゲットとして考えても良さそうです。
トルコリラ円に関してはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコリラ円四時間足
既に2月高値31.70を超え短期的には次の節目となる32円を目指す流れにあり、動き次第ではピンクの上昇チャンネルで示した動きを続ける可能性もあります。引き続き、テクニカルにトルコリラが強く、ドル円もそろそろ息切れしそうなもののリスクオンの動きが続いていますので、今週は31.50レベルをサポートに、32.50レベルをレジスタンスと押し目買いが続きやすい週を見ておくこととします。
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