ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円は戻り売りが出やすいと考え「7.80レベルをサポートに、8.20レベルをレジスタンスとする流れ」としました。実際のレンジは、安値が7.88レベル、高値が8.15レベルと、予想のレンジ内で若干狭い値動きの週となりました。
先週まではズマ大統領による一方的な内閣改造に対して南アフリカの政情不安と格付け引き下げ思惑とでランド安の流れになっていましたが、いったんこれまでの動きに対して踊り場の週となったようです。しかし、ズマ大統領の公費流用疑惑も出て、退陣を求めた大規模なデモも起きています。
与党ANC(アフリカ民族会議)内でも退陣を求める声がありますし、野党も不信任決議案を求めている状況で、18日の不信任決議案こそ回避されたものの大統領辞任に向けた動きは今後も継続していくと考えられます。ANCはアパルトヘイト時代から白人政権に対して戦ってきた党であり、マンデラ元大統領が党首になってからは南アフリカの与党となり、上の世代には圧倒的に人気はあるものの、経済不況にあえぐ同国の若い世代は距離を置いているというのが現状です。
ANCは今年の12月の党首選に向け派閥争いが強まっているとのことですから、いったんは落ち着きが戻ったとしても政治不安を材料に同国からの資金逃避は簡単には止まらないと言えるでしょう。また、直近では北朝鮮問題でリスク回避から金が買われている面もあり、この金上昇の動きがランドのサポート材料となっている面もあります。
先週初以降は全般的なドル売りの流れもありましたので、ドルランドにおいてもドル売り・ランド買いの動きとなり、いったんは対ドル、対円でのランド安の流れに歯止めがかかった形となっています。
チャートをご覧ください。いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)の上段にドル建金価格もオレンジ色で表示してみました。
ランド円、ドルランド、ドル円 四時間足
こうしてチャートで見ると、対円では底打ち、対ドルでは頭打ちといったチャートの形状にも見えますが、逆にそれぞれのランド安値を抜ける動きとなった場合には、一段安の動きも視野に入れておく必要があります。今週も経済指標はCPI程度で目先の材料には欠けるものの引き続きANCを囲む同国の政治情勢に注視しておく必要がありそうです。
今週は日足チャートもご覧ください。
ランド円 日足
昨年6月に付けた最安値6.42と今年3月高値8.98のフィボナッチ・リトレースメントを表示してありますが、38.2%押しの8.00を既に見た現在は半値押しの7.70を意識せざるを得ない値動きとなっていると言えます。4時間足チャートで直近安値を下抜ける動きとなった場合の次のターゲットとして考えておきましょう。
今週は、下値不安は残るものの先週同様もみあいの週になりやすいと見ています。7.90レベルをサポートに、8.20レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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