東京市場の動き
23日の東京市場は、「行って来い」。早朝を日中安値に一時111.60円近くまで値を上げるも続かず。その後はじりじりと値を崩し、早朝のオープンレベルまで値を崩している。
東京は111.15円レベルで寄り付いたあと、じり高推移。前日NY時間終盤の流れを継ぎ、当初はドルの買い戻しが優勢となった。日経平均などの株価動向や3月期末要因をにらみつつ、午前中に111.60円近くまで値を上げるも、勢いは続かなかった。
その後は、再びドル売り・円買いの流れが強まり、ドル/円は軟調。また、終盤にかけてはポンド/ドルが急伸(ポンド高・ドル安が進行)したことに連れたこともあり、ドル/円はさらに下げ幅を広げている。結局、16時時点では111.20円前後と、早朝安値に近い水準まで値を下げてきた。
なお、市場の関心が高かった森友学園の籠池理事長による衆参予算委員会での証人喚問において、「安倍首相の昭恵夫人が寄付金100万円をくれた」などといった発言が聞かれたものの、新味が乏しいとの指摘もあり、為替市場に与えた影響は限定的なものに留まっている。
欧米市場の見通し
ドル/円の基本的なリスクは下向き。昨年のドル安値98.65円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%にあたる111円レベルを、昨日のNY時間ザラ場ベースで下回るなど、下値余地が拡大した感を否めない。ただ、ポジション的にはさすがにドルロングも解消したばかりか、逆に短期的にはドルショートに傾斜した感すらうかがえる。東京時間午前のようなドルの買い戻しにも注意を要したい。
テクニカルには、前述したフィボナッチで重要なサポートを割り込んできただけでなく、一目均衡表においては、いわゆる「三役売り」のシグナルも点灯してきた。ドルの基調はますます悪化していると言ってよい。RSIのような、オシレーター系のチャートを見ると、目先ドルは売られ過ぎているため、一時的な反発は否定出来ないものの、飽くまでそれは調整といった範囲内で、トレンドそのものは引き続き下方向にバイアスがかかる。本日ではなく、多少の時間が必要だろうが、110円の大台割れトライも想定しておく必要があるのかも知れない。
一方、本日、材料的に注視されているのは、引き続き発表される米経済指標ならびに、FRB議長や米地区連銀総裁による講演などになる。なかでも、イエレン議長による講演に対するマーケットの関心は高い。確かに、発せられる先行きの利上げスケジュール動向次第では、相場が一時的に乱高下する危険性もないでもない。
しかし、それより日本の政治情勢に続く米政治情勢を警戒する声も、一部市場筋のあいだからは聞かれており、本日の欧米時間に米国で予定されている「オバマケア改廃法案修正案の下院議会での採決」に対するリスクも取り沙汰されていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.50-111.80円。ドル高・円安方向については、本日東京時間の高値111.60円レベルがテクニカルポイントで、抜けても111.85-90円に位置する移動平均の5日線、112円レベルなどが抵抗となりそう。いずれにしても、ドルの上値は重い。
対するドル安・円安方向は、昨日安値の110.75円レベルが最初のサポートか。割り込むようだと、心理面で重要な110円が名実ともにターゲットとなる。(了)
オーダー/ポジション状況
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