豪州中銀議事録(2017年2月7日開催分) (出所:豪州中銀HPから)
豪州中銀の金融政策の議事録内容を一部抜粋してお送りします。
(議事録要旨)
委員達は世界経済の活動やインフレがここ数か月、益々ポジティブになったことを確認した。世界的に鉱工業生産指数や貿易活動が伸びた。豪州との主要貿易取引国のGDPは上昇した。そして2017年、2018年見通しは改善していくと予想している。但し、貿易相手国の成長は期待ほどの伸びはまだないとみている。それは中国の成長見通しが落ちているからだ。
また先進国のインフレは、主として原油価格の上昇などで、上がっていくと予想している。
国内経済に目を向けると、委員達はまず9月末期の四半期GDPについて話した。実質GDPの0.5%下落は予想よりも低い数値だった。これは幾つかの一時的要因が重なったもので、悪天候による石炭供給の遅れや、同じ要因で消費が減速した。それでも2017年末にはGDP3%成長になると見込んでいる。
昨年9月期には商品輸出の減速で、輸出量が予想以上に落ち込んだが、委員達は12月の豪州貿易収支で目覚ましい黒字を記録したことを確認した。豪州の抵コスト鉄鉱石や天然ガスは今後も増加していくとみている。
一方で、非居住用建設はおそらく低い水準に留まるだろう。このマイナス分は鉱山関連で埋めていくとみている。
家計消費は6月と9月期は抑え込まれた。これは可処分所得の伸びが低かったからである。最近、12月小売売上高は増加し、12月期には上向きになるとみている。ただ、消費ローンはまだ平均的で、雇用は改善しているものの、可処分所得が低く抑えられているので、家計消費は予想の範囲に留まりそうだ。
もし家計消費が将来ポジティブになると、見込み以上の成長に繋がることが予想される。
住宅投資は9月期には予想外に下落した。これは悪天候が続いたことによる。ただ、年を通せば平均以上にはなっている。
低い賃金の伸びは賃貸インフレやその他のインフレ指標に影響を与えている。現下のインフレは2016年で1.5%である。昨年初の為替レート安によるインフレ上昇は最早終わり、貿易関連でのインフレに与える影響は予想できなくなっている。インフレ見通しに関してはこれまでと変わらない。最近の世界的インフレ圧力が将来国内経済に与えるインフレは予想以上になりそうだ。
豪州ドルはここ2か月間で僅かながらも上昇した。これは商品価格上昇によると見ている。株価は12月の委員会以降上昇した。加えて、商品価格上昇が資源株の下支えになっている。豪州株のPERは2003年以降の平均よりは下がった。
以上より集められる情報を基に、現行の金利が先々に与える影響などを予想・分析の結果、委員会はこの先も現行のキャッシュレートにより経済を持続的に成長させ、将来のインフレ目標を達成できると判断した。
結果、委員会はキャッシュレートを1.5%のまま据え置いた。
(要旨以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
今回の議事録も先々は明るい感じで見通しています。国内経済が昨年9月期の一時的要因(悪天候など)で落ちんだが、第4四半期以降は持ち直し、加えて世界経済の改善をポジティブに受けて止めています。ここ数か月の豪ドル高も以前議事録に記載された様な「状況を複雑にする」等の表現がなくなり、現行の為替レートを受け入れている印象となっています。また、現行下では追加緩和するなどの表現は見当たりませんでした。
豪ドル/米ドル相場は議事録発表前に1豪ドル=0.7680米ドル付近でしたが、発表後には0.7665米ドルまで緩んだ程度で、豪ドルロングを調整した感じです。内容的には豪ドルにポジティブですが、シカゴポジションなどみても既に豪ドルはロングに傾いているので、上値を追っての買いは出難くなっています。押し目を拾うスタンスが良いかと思います。上値は0.7700〜10米ドルに抵抗線、下値は0.7610米ドルにサポートあります。(1豪ドル=0.7676米ドル、2月21日11時30分現在)
(以上)
オーダー/ポジション状況
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