綱引き相場継続(週報2017年2月第一週)

トランプ・リスクからのドル売りの面、ナバロ米NTC委員長のユーロ批判発言、

綱引き相場継続(週報2017年2月第一週)

ユーロ・ドル:1月30日からの先週

トランプ・リスクからのドル売りの面、ナバロ米NTC委員長のユーロ批判発言、等から一時1.08台を回復していましたが、週引けは1.08台を維持できませんでした。

1月30日は前週末引けの1.0696から1.0720へギャップアップしての始まり、直後30日の高値1.0740をつけました。その後ノボトニー・オーストリア中銀総裁の、3月にテーパリングを検討するのは時期尚早、ドル高が欧州経済に良い等の発言でユーロ売りとなり30日安値の1.0619まで下押した後、今度はトランプ大統領の移民・難民入国拒否の大統領令を嫌気するドル売りからユーロは1.0709まで上戻して1.0693で引けました。

1月31日は前日引け1.0694で始まり、東京時間に31日安値の1.0684を付け横ばい推移。欧州時間に入りナバロ米NTC長官のユーロは著しく過小評価されている発言が伝わり、ユーロは一気に311日高値の1.0812まで上昇、やや下視して1.0797で引けました。因みにこのナバロ委員長の発言は「ドイツは、大幅に過小評価されたユーロを利用し、米国やEU諸国より優位」との内容で英フィナンシャルタイムズ紙で報道されました。

2月1日は前日引けの1.0797で始まり、東京時間に1.0775まで下げた後1日の高値1.0808まで上戻しました。まず米10年債利回りが2.48%まで上昇してのドル買いから、トランプ大統領の前日の日本と中国の為替操作国発言を嫌気したドル売りへ、その後欧州時間に入り1日安値の1.0722まで下押しと、売り買いが交錯していました。その後、FOMCの声明が3月の米利上げを示唆するものではなかった為、市場の一部の失望からドル売りとなり、ユーロは1.0789へ戻して1.0768で引けました。

2日は前日引けの1.0768で始まり、前日のFOMCへの失望からのドル売りが継続、ユーロは欧州時間に入り2日の高値1.0829まで上昇。NY時間に入り米10年債利回りが上昇に転じドルの買い戻しから、ユーロは2日安値の1.0755まで下押ししてから1.0758で引けました。

3日は前日引けの1.0757で始まり、1月米雇用統計までは1.0750〜1.0770水準で横ばいの後、NFPこそ予想以上であったものの、ポイントの賃金の伸びが弱く、発表後はドル買いの後ドル売りと一変、なのでユーロドルは1.0700まで下落後、1.0797まで上昇して1.0780で引けました。

ユーロ・ドル:2月6日からの今週

ポイント:ユーロは、先週のナバロ発言によるユーロ買いの圧力と、イタリア・フランス等のユーロ圏の政治リスクからのユーロ売り圧力の綱引き相場が継続でしょう。

CME通貨先物ポジション状況:1月31日時点
(1月31日)(1月24日)(1月17日)
円  ▲58331 ▲66840 ▲77830
ユーロ ▲45713 ▲52348▲66500
ポンド  ▲61772 ▲63172 ▲66242

シカゴIMM: 短期投機・投資家によるユーロのネットポジション、売持高は今週も減少、ピークの140000枚から67%減。

シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
10. 98(-0.95)VIX指数は下落しての引け。

ユーロドルは、大きな流れはユーロ安の方向との見方は変わりないのですが
引き続き今週もトランプ大統領というか、ドルの動向次第でしょう。
1. 足元はトランプ相場の調整ドル売りと、
2. 巨額の貿易赤字の原因は中国、日本、ドイツ、メキシコの為替操作のせいだとするトランプ大統領
から、ドル売り優勢・ユーロ買い優勢の地合いです。

ただ、ユーロ圏は今年、ユーロ各国が政治・選挙という爆弾を抱えていて、いつ右傾化へ走るとも限りません。
イタリア・リスク、これは解散・総選挙のみならず、実は常識外に大きな対外債務、そしてフランスは新しい大統領を決めねばなりません。この週末にパリで起きた事件が国際的なテロを想起させ、移民排斥を掲げている国民戦線のルペン党首が大統領選で勝つ可能性が高まってしまします。仏極右政党と言われる国民戦線が政権を取れば、一気にポピュリズム、一気に保護主義と急変してゆくでしょう。
その意味では、今年はユーロ圏の政治の目途が着くまでは、基本的にはユーロはリスク・オフの売りなのです。

先週はレンジ1.0700~1.0800の中で方向模索でした、
1月23日の 1.0619 〜 1.0740
1月24日の 1.0684 〜 1.0812
1月25日の 1.0722 〜 1.0808
1月26日の 1.0755 〜 1.0829
1月27日の 1.0700 〜 1.0797

テクニカルにみると、日足の一目均衡表で
先行スパン2が 1.0826 で横ばい
先行スパン1が 1.0529 で下降中
実勢値     1.0780 3日引け
転換線が    1.0725 で横ばい
基準線が    1.0584 で横ばい

昨年5月3日の1.1616からの下げのトレンドの中なので
下方向への流れの可能性が依然高いと想定しますが
足元は、ドルがトランプ相場の調整ドル売りの最中なのと、ナバロ発言で
ユーロは底固く、先週は一時1.08台まで回復しました。
テクニカルは、日足の一目均衡表の実勢値が基準線と転換線とを上抜けて、且つ遅行スパンも実践を上抜けてきている状況では、足元の勢いは上向きと判断されます。
ただ、依然先行スパン1の1.0529と、先行スパン2の1.0826に挟まれた領域にある訳で、ドル円相場と同様に、
この何れかの先行スパンを抜けて来ないと、ハッキリとした方向が示されません。

予想レンジは、引き続き1.0650~1.0850

上値目途は、横ばいで推移している先行スパン2の1.0826と、2日の高値でかつ年初来高値の1.0829。
下値目途は、転換線、基準線、下降中の先行スパン1と多いです。

方向感がハッキリしない中、見方としては、1.0725の転換線を上回って推移している内は、高値更新の可能性ありと判断します。ここを割り込んで回復でいない場合には下値目途を意識した展開と想定します。

予想レンジは、引き続き1.0650~1.0850 と見ます。

オーダー/ポジション状況

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